IdPは2021年3月に、東京工業大学と慶應義塾大学、東京医科歯科大学、東京大学が設立。イベントでは、活動を本格化させていくうえでの激励のメッセージやトークセッション、IdPのギャップファンドが採択した研究者や学生たちによる、事業化に向けた成果報告が行われた。
冒頭では、文部科学省の産業連携・地域振興課長である井上睦子氏が、オンラインで開会挨拶に登場。
「岸田首相も『スタートアップは日本の成長の一丁目一番地で重要だ』とメッセージを発信しています。大学での教育、研究に加え、技術の社会実装について、将来それらの歴史を振り返ったとき、今がターニングポイントになるのではないでしょうか」と語った。
また、東工大学長の益一哉氏も、ビデオメッセージでコメント。
「事業シーズを発掘して事業化、さらに産業化するというプロセスは大学だけではできません。多種多様な機関が連携・コラボレーションするエコシステムを形成することが必要です」と、周囲を巻き込んだプラットフォームのさらなる発展に期待を寄せた。
また、東京都副都知事の宮坂学氏もビデオメッセージを寄せ、「東京の強みは、大学などの教育研究機関や企業、多様な人材が集積しているところ。大学や企業などが研究を推し進め、成果を社会実装していくうえで、エコシステムの形成は特に重要だと考えています」と述べた。
世界に向けた発信を
開会挨拶に続いて行われたのは、MPower PartnersのCEOを務めるキャシー松井氏と東工大教授でIdPのプログラム代表でもある辻本将晴氏によるトークセッション。
「グローバルで戦えるスタートアップ創出のための育成支援について」をテーマに語り合った。
左から、東工大教授でIdPプログラム代表の辻本将晴氏と、MPower Partners CEOのキャシー松井氏
技術経営や経営戦略を専門とする辻本氏は、「日本の技術は高いにもかかわらず、世界に打って出るスタートアップ企業が少ない」と主張。それに対し松井氏は「最初からグローバルマーケットに事業が広がると確信している起業家が少ない」とした。
加えて、「日本は世界的に一流の技術があるのにもったいない。英語での情報発信など、自分たちの活動を世界に広めようとする姿勢が大事」と、解決策のひとつを提示した。
26チームがプレゼン
第2部では、IdPのギャップファンドが採択したチームが一堂に会し、起業や事業化に向けた成果を発表した。
IdPのギャップファンドでは、プラットフォームに参加する大学から、研究開発課題を公募。各大学に所属する教員や研究員、学生を対象に、本年度は26件を採択。すべて起業前の段階にあり、事業化に向けたビジネスモデルのブラッシュアップや、試作品製作、仮説検証を進めるうえでの研究課題に対する人材紹介や資金支援などを行ってきた。
各チームは、1000万円を上限とした研究開発費の支給を受け、IdPが設置する事業シーズ探索委員会(SDC)のサポートの下、起業や次のステージの研究開発資金獲得を目指して活動してきた。