バイオ、医療、AI、DX 起業目指す「IdP」採択者がデモデイで成果発表


今回の成果発表には全26チームが登壇。IdPを構成する大学のほか、ファンドを共同実施する横浜国立大学や横浜市立大学、神奈川大学、関東学院大学からも参加した。

iPS細胞からバイオ靭帯を作り出す技術、歯ぎしりの病態解明のため、あごの外側にある咬筋の活動を測定する技術などをはじめ、医療、AI、DXなど多岐にわたる研究課題について、成果発表のプレゼンを行った。

東京医科歯科大学の浅原弘嗣教授
バイオ靭帯の実用化を目指す東京医科歯科大学の浅原弘嗣教授

大企業の協力が必要


各プレゼン後には、「広告会社と大学発スタートアップの共創可能性」と題し、スポンサーセッションを実施。

新規事業開発を推し進める、博報堂「ミライの事業室」室長を務める吉澤到氏、スタートアップスタジオを運営する「quantum」執行役員の川下和彦氏、東京大学協創プラットフォーム開発のマネージャー、古川圭祐氏が登壇し、事業会社と大学発スタートアップについて語った。

川下氏は「大企業との連携は重要。大学発ベンチャーは周囲に自分たちの技術を上手く適切に伝えるために、大企業の協力が必要と言えます」と語った。一方の吉澤氏も、「話を聞いても、すごすぎて理解されない技術も多い。企業やスポンサーを巻き込む際、その技術が活かされてどのように生活が変わるかまで盛り込むことができれば、大きなうねりが生まれると思います」と同調した。

デモデイでは、スポンサー各社による、ファンド採択チームの表彰も行われた。結果は以下のとおり。

・オフィスバンク賞:東工大 今村悠樹氏
テーマ:農業を即日DXさせるプロダクトサービス 『農Sight』の開発

オフィスバンク賞

・フロンティアインターナショナル賞:東工大 早川智義氏
テーマ:列車の混雑を見える化し、安く安心して移動できる社会の実現

早川智義教授

・博報堂賞:東工大 鈴木賢治氏
テーマ:スモールデータAIによる医用画像診断支援システムの多品種短期開発

博報堂賞

鈴木氏は、「メンターの方々から学べ、事業モデルなどをブラッシュアップできました。これからは世界中にAIを届けることに真剣に取り組んでいきます」と、今後のビジョンについて語った。

閉会の挨拶は、IdP総括責任者の東工大で理事・副学長を務める渡辺治氏。

「ギャップファンドは資金支援だけでなく、メンターをはじめとした人の紹介、つながりで新しいものを作っていこうとしてきました。今後のスタートアップエコシステム構築のひとつのきっかけにしていきたい」と締めくくった。

文=小谷紘友 編集=露原直人

タグ:

連載

DX NOW

ForbesBrandVoice

人気記事