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2022.03.25

「ドライブインシアターを47都道府県で実施します」。夢に集まった800件の問い合わせと新たな出会い

コロナ禍に入って最初に迎えた夏となった2020年8月のある日、千葉県長生郡長柄町では「Drive in THEATER with HANABI」が開催されていた。

日の入りの時刻が近づくにつれて会場には少しずつ車が集まり、約100台の車が揃うと、屋外に設置された巨大スクリーンではミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の上映が始まった。そして、映画がフィナーレを迎えると、エンドロールが終わったのち、会場に設置された無数の大型花火が打ち上げられたのである。


轟音とともにスクリーン後方から打ち上げられた花火。映画の余韻に心を震わせる観客を、さらに感動へと導く演出だ。

まるで映画とシンクロするような演出に、来場者のなかには感動して涙を流す人もいた。世の中全体が自粛生活を余儀なくされ、多くの人が家で悶々と過ごしていた時期だった分、来場者の興奮も大きかったに違いない。

映画を通じて日本全国に夢を届ける


このイベントの主催者は、ラコル。同社は「April Dream」に参加し、2020年4月1日に「ドライブインシアターを47都道府県で実施します」という夢を発信した。冒頭の「Drive in THEATER with HANABI」は、このプロジェクトの一環である。

ラコルでは、17年から「OUTDOOR THEATER JAPAN」と称して、「日本全国どこでも劇場化」をコンセプトに全国で野外映画イベントを開催してきた。

2020年春頃に新型コロナウイルスの感染が拡大し始めると、同社も数々のイベントの中止を迫られた。世界中が未曾有の混乱に巻き込まれ、暗いニュースが増えていくなか、プロデューサーの綱島大輔の目にとまったのが「April Dream」の企画だった。

「世の中に対して何か明るいニュースを届けたい。そんな思いから、夢の発信を決意しました」と、綱島は当時を振り返る。

ドライブインシアターは、これまでの野外映画イベントで培ってきたノウハウを生かしつつ、三密も回避できる絶好の企画だった。なぜならば、会場に入ってから家に帰るまで、ずっと車に乗ったままで参加できるから。音声は、カーステレオのFM受信機を通じて届けることができる。あとは、イベントを開催させてくれる会場を探すだけだった。

理想は、100台近くの車をとめられて、かつ、巨大スクリーンも設置できるキャパシティのある会場。テーマパーク、ホテル、観光施設等の駐車場をイメージしていた。

日本全国から問い合わせが殺到


驚くことに、プレスリリースを通じて夢を発信した当日から、ひっきりなしに問い合わせの連絡が来るようになり、その数は800件以上にのぼった。同社のSNSアカウントのフォロワー数も急激に伸びたという。

「コロナ禍で行動を制限されていた分、安心して参加できるイベントへの感度が高まっていたのだと思います」と、綱島は話す。問い合わせの内容は、ドライブインシアターを行う場合の場所の候補地を知らせるものや、「ぜひ来てほしい!」という企業や団体まで、さまざまだった。

「ここまで問い合わせが多くなると『これは本当に実現しないといけない』と、身の引き締まる思いになりました。これが、実際にイベントを開催していく原動力になりましたね」。


思いの外大きかった反響に使命感を感じ真摯に向き合う一方で、感動と笑顔があふれるイベントを振り返る綱島の表情は明るい。

2020年6月13日の東京サマーランドでの実施を皮切りに、北は北海道の中標津、南は鹿児島県の徳之島まで、全国各地で49上映を実現した。上映する映画は、会場の立地や時期にあわせて『アメリ』や『キャスパー』などを選んだ。

イベントを開催し、その内容をプレスリリースやSNSで報告するたびに、新たな問い合わせがくる。世の中の関心の高さを感じずにはいられなかった。

多くの人が、心から笑顔になれる機会を求めている。会場に行き、車のなかで満面の笑みを浮かべている来場者たちを見ていると、綱島は、「映画を上演し続けることで人々を幸せにする」というある種の使命感さえも感じるようになっていた。

「ドライブインシアターって、基本的にお客さんと顔を合わせることがないんです。車で会場に入って、そのまま車の中で映画を見て、帰っていくだけなんです。そのかわり、お見送りの時に、僕はいつも車に向かって大きく手をふって『ありがとうございました!』と挨拶するようにしているんです。

今回のドライブインシアターでは、子どもたちが窓をあけて『ありがとうございました』と満面の笑みで返してくれたり、中には感動で泣いている人もいるのが見えたんですよね。実施してよかったなぁと実感する瞬間でした」。

イベントの機会を失った花火師とコラボレーション


夢の実現に向けて行動していく過程のなかで、イベントを開催して来場者と心の交流が生まれただけでなく、仕事の機会を失った花火師たちとの出会いも生まれた。きっかけは、花火師からの「一緒にイベントを企画させてほしい」という連絡だった。ラコルが夢の実現に向けて発信し続けていたメッセージを見つけたのだという。

2020年、新型コロナウィルス感染拡大を要因に中止となった花火大会は全国で約850件とされている。奇しくも、ドライブインシアターを開催する場所には、コロナ禍でも安全に花火大会を開催するのに必要な条件がすべて揃っていた。

広い会場、日没後に開催すること、それぞれの参加者が車の中で過ごし、三密を回避できること。こうして、冒頭で紹介した「Drive in THEATER with HANABI」の実施へとつながったのだった。さらに、この企画は日本で唯一のイベントの表彰制度「第7回JACEイベントアワード」で2021年5月に優秀賞を受賞し、イベント終了後も注目を集めた。

「我々が実施している野外映画イベントをモデルケース化し、いろんな地域の人々が映画を見られる社会を作っていきたい」と、綱島は話す。

「ドライブインシアターを47都道府県で実施する」という夢を実現するための行動のなかで見えてきた、新たなビジョンだ。野外映画イベントは、会場と機材さえあれば、あとは映画を選んで上映するだけ。イベントの実施に向けて練習する内容もないし、簡単に実施できてしまう、と綱島は話す。

「それでも、来場者はとっても喜んでくれる。こんなにいいイベントはありません。我々のノウハウを伝える形で、日本全国に笑顔を増やすきっかけを広めていきたいです」と、綱島は決意を見せた。

April Dream
https://prtimes.jp/aprildream/

Promoted by PR TIMES / photographs by Yuto Kuroyanagi, text by Ayano Yoshida, edit by Tsuzumi Aoyama

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#夢の途中。はじまりは4月1日