ホテルの客室アメニティの対応も急ピッチ
客室のアメニティ類が特定品目に指定されているホテル業界にも対応が求められている。
このうち、JR東日本が展開するホテルチェーンの運営を手掛ける日本ホテルは2022年3月までに、国内のJR東日本ホテルズ加盟の56ホテル9000室余で使用しているワンウェイプラスチック製品(ヘアブラシ、かみそり、シャワーキャップ、マドラー)をバイオマスプラスチックに切り替えるとともに、レストランやショップでテイクアウト商品などに付与するワンウェイプラスチック製品(フォーク、スプーン、ナイフ)は木製への切り替えを検討している。
また、客室に置いていたくしは、利用が少ないとして廃止する方向で進めるとともに、歯ブラシについても代替素材の検討・検証を進めて順次導入するとしている。
バイオマスプラスチックの導入に際して、同社は「取引商社が推奨するシリーズを一括採用せずに、コメ由来かムギ由来かなど、配合割合が異なるアメニティを採用することによって、ユーザビリティを落とさずにコストアップを最小化できるように取り組んでいる」(マーケティング部)とコメントしている。
オーガニック食材やアメニティの導入などSDGsにつながる取り組みを早くから進めてきたスーパーホテルは、同法の特定品目に該当するアメニティの客室設置を廃止し、宿泊客に持参を促したり、フロント・ロビーから持ち出したりしてもらうようにする。すでに一部店舗では2月1日から始めており、4月からは全店舗で対応を始める予定としている。
プラスチック削減目標としての対応、SDGsも意識
各社に対して今回のプラスチック新法施行の受け止めを聞いてみると、全社的に進めているプラスチック製品、あるいは廃棄物全般の削減計画のプロセスの一環として取り組んでいる傾向が強い。
「弊社は『リソースポジティブカンパニー』となることを目指して、廃棄物量を2030年までに50%削減する目標を掲げて、使い捨てプラスチックに留まらない、使い捨て資材をはじめとした廃棄物削減にかねてから注力しています。今回のプラスチック新法を受けても、この方針は変わることはありません」(スターバックス・ジャパン広報部)
「当社はグループ全体でのプラスチック削減の取り組みを推進しております。法律施行のタイミングに合わせた対応も実施してまいりますが、あくまでも当社の目標達成に向けた取り組みの過程の一つのタイミングと考えます。身近なカトラリーを通したプラスチック削減について、ステークホルダーの皆様のご理解とご協力をいただきながら、課題の解決に取り組んでいきたいと考えています」(セブン&アイ・ホールディングス広報センター)