米上場の中国企業の中で最大の規模を誇るアリババの株価は、14日に10%下落して6年ぶりの安値に沈み、直近の最高値の2020年10月以降の時価総額の減少幅は613億ドルに達した。さらに、同社の競合のEコマースのJD.comとピンドォドォもそれぞれ11%と21%急落した。
中国株は、ここ1年の間、政府のテクノロジー企業に対する締め付けにより下落しており、ここ最近は、米国の取引所から排除される懸念が高まっていると、Oanda のアナリストのエド・モヤは14日にコメントした。
米証券取引委員会(SEC)は先週、中国でKFCやタコベル、ピザハット等を運営する「ヤムチャイナ」やバイオ医薬品のザイ・ラボを含む中国企業273社が、米国の取引所から排除される可能性があると警告していた。
また、直近では中国とロシアの関係が、中国株に対する投資家の姿勢をさらに複雑にしている。先週末には、ロシアが中国に軍事支援を要請したというニュースが流れたが、モヤはそのような連携が、中国への迅速な報復につながる恐れがあると警告している。
ほかにもインターネット大手のバイドゥ(百度)やテスラのライバルのNIO、ゲーム会社のNetEaseなどの米上場の中国株が14日にそれぞれ8%、12%、10%下落した。
米国で上場する中国の大手10社の株の時価総額の合計は、パンデミック時につけた史上最高値から1兆1000億ドル(約130兆円)以上の減少となっている。
調査会社Sevens Report のプレジデントのTom Essaye は直近のメモで、「中国企業には多くの成長の可能性があるが、規制リスクは月を追うごとに高まっている」と書いた。今回の暴落は中国市場にも波及しており、ブルームバーグは14日、香港市場に上場する中国株を2008年の世界金融危機以降で最悪の暴落が襲ったと伝えた。