アリババにも大きな痛手に
米中の緊張が続く中で、ここ最近はロシアのウクライナ侵攻を非難しない中国への批判も高まっている。2国間の関係はパンデミックや、台湾や香港、新疆ウイグル自治区などの問題で悪化している。
バイデン政権は、中国を「戦略的競争相手」に位置づけ、自国の経済的利益を守りつつ、「中国政府の攻撃的で強圧的な行動」に対抗しようとしている。
香港中文大学ビジネススクール名誉教授のジョセフ・ファンは、「米中は互いを競争相手と考えており、どちらの政府も経済問題を解決するための十分な中立性を持つことができない」と述べている。
北京の調査会社プレナムのFeng Chuchengは、監査問題をめぐる両国の規制当局の協議は、ほとんど進展していないと言う。2024年までに事態が変化する可能性はあるが、今のところ、米国に上場しているすべての中国企業の上場廃止は、「より高い確率のシナリオ」になっている。
中国企業が、米国の資金へのアクセスを失うことは、大きな痛手となる可能性がある。近年はEコマースの大手のアリババからゲーム開発会社のネットイースまで、多くの中国企業が香港で二次上場を果たしているが、香港での株式の売買高は比較的少なく、投資家の関心の低さを示している。
ヤムチャイナもニューヨークと香港で二重上場しているが、売買高の90%以上が米国で行われているとモーニングスターのスーは指摘した。