今度は、ガソリンエンジンとは正反対のEVに挑戦して、トヨタとスバルが再び共同開発という形で、初の電気自動車(BEV)兄弟が登場。名前は「トヨタbZ4X」と「スバル・ソルテラ」。先月2台に乗ってきたので、どこが違うのか、その比較レポートをお伝えよう。
ただし、「比較」と言っても、bZ4Xはサーキットで乗ったのに対して、ソルテラは雪上で試乗。イコール・コンディションとは言えないけど、それでも2台の違いがよくわかった。
ところで、bZ4Xという名前は、どう思いますか? ソルテラの方が発音しやすいでしょうか? トヨタは、これから「bZ」というEVシリーズをだんだんと増やしていくという話だけど、bZ4Xはどうかな。もう少し覚えやすい名前が良いと思う。やはり、ソルテラの方が親しめるのでは? ま、それはいいとして。
まずはどのような構造になっているのか。
トヨタbz4X
同車の核となるe-TNGA思想に基づいたBEV専用車体、サスペンション、パワートレーンは、もちろん同様のものを採用しているけど、外観と室内のデザイン、それに回生ブレーキの機能で差別化を図っている。
両車の外観で一番大きなポイントは、グリルのデザイン。いや、BEVだからグリルがない特徴が話題になっている。つまり、ラジエーターがないので、空気を吸い込んでエンジンルームを冷やす大きな口の形をしたグリルは必要がない。
bZ4Xは最近のトヨタの流れを組んで、両ヘッドライトをつなぐ細いグリルっぽい部分の組み合わせの「ハンマーヘッド」というデザイン・ランゲージになっている。普通のグリルがないので、いつもより高い位置にナンバープレートを置くことができるのは新鮮。また、他の内燃機関のクルマの見え方とは違う部分は、バンパーの左右にエアのインテークが切られて、空気の流れを考えているよという仕様だ。
また、ナンバープレート下のエアダムは、適度な空気を吸い込んでバッテリーやモーターを冷やす役割を果たしている。デザインは総合的にそれなりに引き締まっていてプレゼンスはある。実はホイールベースが、車格で比較される「RAV4」よりも160mmも長いので、bZ4Xとソルテラの室内空間、特にレグルームが広くて開放感がある。
それに対してスバル・ソルテラは、六角形のグリルの左右にあるヘッドライトが、bZ4Xより厚めでシャープなので存在感があって格好良いと思う。その六角形のノーズのデザインとライト、それに下のエアダムの左右に入っているフォグランプの組み合わせは絶妙なバランスだ。
ソルテラはbz4Xにはない六角形のグリルになる。
ボディ寸法はほぼ一緒なのに、これだけフロントのデザインが違うと、ユーザーは選びやすいだろう。
真横から見ると、2台ともエッジがとても効いているし、ホイールアーチ周りのブラックアウトは特徴的。また、テールライト、ツインルーフスポイラー、それにルーフのソーラー充電システム(オプション)のデザインは一緒なので、違うのはロゴマークぐらいだろうか。だからこのように外観デザインを比較して見ると、やはりフロントのスタイリングの差別化がいかに大事かがわかる。