2020年には緊急事態宣言下で結婚式が中止・延期になるなど、約24万組のカップルが影響を受けた。ただ、コロナ禍が長期化する中で、新しい結婚式のスタイルも次々と生まれている。家族など少人数での開催が主流になったほか、LIVE配信や食事の宅配、屋外ウエディング、フォトウェディングなど、選択肢は広がる一方だ。
このような環境下で、「結婚や結婚式の本当の価値ってなんだっけ」と改めて考えたカップルも多いだろう。
一連の変化を受けて、今一度「結婚」や「結婚式」について知り、未来のことを考えよう、と立ち上がったのが、ウエディング専門メディアの運営などを行うウエディングパーク。2021年からクリエイターや企業、学生らと、長期プロジェクト「Wedding Park 2100」を実施しており、クリエイターのひとりとしてお笑い芸人で芥川賞作家・ピースの又吉直樹が参加している。
3月4日〜6日、その一貫として実施された企画展「100色の結婚式−2100年までにカタチにしたい100のこと−」展の会場で、プロジェクトの仕掛け人である同社ブランドマネージャーの菊地亜希とともに、結婚や結婚式の“未来”について語り合った。
「2100年」の結婚式はどうなってる?
──「Wedding Park 2100」は2021年1月に始動しました。企画の背景を教えて下さい。
菊地:ブライダル業界は、コロナ禍で大きな打撃を受けました。“結婚”という人生における一大行事を、固定概念にとらわれずに「いかに記念に残すか」を模索してきた2年間でした。
「結婚式離れ」も叫ばれる中ですが、私は結婚する方々を“祝う”という素晴らしい文化は、これから先も残ってほしいと考えています。ただ、そのスタイルはもっと自由になっていい。なので、少し先の未来である「2100年」を軸に、結婚や結婚式の“未来”を構想するプロジェクトを企画しました。
ウエディングパーク ブランドマネージャーの菊地亜希
2021年には「2100年の結婚式」をテーマにした企画展の開催や、メッセージ広告の掲出などを実施してきました。現在、208のウエディング企業・団体様にも賛同いただいています。
前回の企画展では、又吉さんに「2100年の結婚式」をテーマにしたショートストーリーを書き下ろしていただきました。
作品の一部。2200年を生きる子孫から、時空を超えて「2100年の結婚式」について書かれた手紙が送られてくる、というストーリーだ
又吉:プロジェクトのお話を伺って、「2100年の結婚式について、みんなで考えてみよう」という試みは、すごく面白いなと思いました。コントや漫才の“設定”をもらえたような感じがして、ぜひ参加してみたいなと。