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2022.03.14 16:00

日本の“ものづくり”を再興せよ 三菱電機×スタートアップが描く未来

左:峯藤健司、中央:日高剛史、右:丹羽祐二 (ビジネスイノベーション本部コーポレートベンチャリング推進グループ)

世界的に大きなトレンドとなっているCVCは、日本においてもますます存在感を強めている。2022年1月、三菱電機が設立したMEイノベーションファンドもそのひとつだ。大手総合電機メーカーとしての歴史を誇る三菱電機がオープンイノベーションで描く、日本の「ものづくりの未来の姿」とは。


三菱電機におけるCVCの役割


かつてものづくり立国と呼ばれた日本の製造業は、その国際競争力の低下が口にされるようになって久しい。戦後日本の復興を支え、経済を発展させてジャパン・アズ・ナンバーワンの地位を築いた時代は遠い昔だ。しかしいま、再び世界で戦う日を目指し、日本の製造業におけるビジネスイノベーションが加速している。日本を代表する総合電機メーカーとして、製造業界をけん引してきた三菱電機においても、それは例外ではない。

2022年1月、三菱電機はMEイノベーションファンドの設立を発表した。DX(デジタルトランスフォーメーション)とグリーンイノベーションをコンセプトに、独立系ベンチャーキャピタルの「グローバル・ブレイン」と共同で設立したCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)で、有望なスタートアップに総額50億円を投資する。そしてスタートアップとの共創を通じて、次世代を見据えたイノベーションの社会への実装を目指すという。

「三菱電機は、これまでクローズド・イノベーション(自前主義)を強みに事業を成長させてきました。しかし昨今、経営環境の変化に対応し、新たな顧客価値の創造を目指すには、自社の力だけに頼るのは無理があります。基礎研究から製品開発まで、すべてを自社で補うこれまでのやり方には、限界を感じていました」

そう語る峯藤健司は、もともと光通信技術の研究開発に従事していた研究者だ。デザイン研究未来イノベーションセンターに在籍し、オープンイノベーションを起点とした新規事業開発にも多く携わってきた経験から、スタートアップとの共創に熱いまなざしを向ける。

「新しい顧客価値を創造し、さらなる成長を遂げるために。オープンイノベーションは避けては通れない取り組みでした。私は研究職出身なので、スタートアップのもつ探究心や好奇心に心引かれます。MEイノベーションファンドは、好奇心と探求心、そして行動力をもつスタートアップとの協業を加速させる手段のひとつです」(峯藤)


総合電機メーカーだからこそスタートアップに寄り添う


三菱電機には8つの事業本部があり、重電システム、産業メカトロニクス、家庭電器など、その事業セグメントは多岐にわたる。さらに今後はDXやグリーンイノベーション領域における新規事業創出を目 指すという。その実現のためには、スタートアップの存在は欠かせない。MEイノベーションファンドではビジョンに「スタートアップとの共創」を掲げ、大企業とスタートアップという立場ではなく、「スタートアップファースト」の精神で、共にものづくりに向き合い、補完し合う関係を築くという。互いの成長に寄与し合う取り組みとなってはじめて新たな価値を創造できることを、長く日本のものづくりを支えてきたメーカーとして熟知しているからだ。

「我々の役目はスタートアップと事業部を橋渡しする通訳のようなものです」

グループマネージャーとしてコーポレートベンチャリング活動を取りまとめる日高剛史は、落ち着きのある声でそう語る。経営企画室や、ビジネスイノベーション本部の前身、営業本部の戦略事業開発室などで培った経験から、「CVCで重要なのは、社内の事業や技術に精通している人を配置すること」と続ける。

「事業領域が広い分、さまざまな事業共創が可能です。加えて先進技術も多数保有していますので、当社のCVC活用ポテンシャルは非常に高いと思います。私たちの部署は、全社のオープンイノベーションを推進する役割も担いますので、CVCの投資活動とうまく連携させながら、全社のオープンイノベーション活動を活性化する仕掛けを考えていきたいと思っています」(日高)


MEイノベーションファンドの投資対象領域(機能領域)



従来の事業領域にとどまらず、社会全体の最適化を実現するために必要なデータとデジタル技術を求めてミッシングピースを探索していく。

日本のものづくりの未来の姿を描く


「当社は総合電機メーカーということもあり、技術や事業領域が幅広く、全体像を把握するのは社員であっても困難です。最善の部署を選定し、スタートアップとつなぐことは我々の仕事ではありますが、社外と社内をつなげる難しさも、メンバーそれぞれがこれまでの経験から身をもって学んでいます。だからこそその経験は今回のCVC運営で必ず生かせるはずです」(日高)

投資先は国内に限らず、海外のスタートアップも対象にし、日本の技術×グローバルで導き出せるものも視野に入れているという。

海外向けの新規事業開発に長く携わってきた丹羽祐二は、「社内にはエンジニアが多く、スタートアップの熱意や探究心への理解が深いことに加えて、三菱電機のもつ事業領域の幅広さも強みのひとつだと思います」と語る。静かな語り口ながら、自らも新たな本部に志願して加わった情熱のもち主だ。

「例えばシリコンバレーがあり、世界最先端のデジタル技術の宝庫である北米や、東南アジアには注目しています。東南アジア発の技術を当社のアセットと組み合わせることで、現地で新しいビジネスをつくり、リバースイノベーションというかたちで、日本に持ってくるようなこともできたらいいですね。我々がそういう懸け橋になれれば、と思います」(丹羽)

三菱電機とスタートアップのかけ算による協業によって、新たな先端技術や事業が生み出されることへの期待に加え、いずれは海外の事例のように、スタートアップの成長が循環するエコシステムの形成を目指したいと、峯藤は言う。

長い歴史に裏打ちされた技術と、質の高いものづくりを誇る三菱電機。MEイノベーションファンドの設立によって、その土壌に新たな種を植え付け、共に成長することで日本の「ものづくり」の再興を目指す試みは始まったばかりだが、ものづくりの未来と、その先に広がる世界を見据える彼らのチャレンジから、目が離せない。


日高剛史◎ビジネスイノベーション本部コーポレートベンチャリング推進グループマネージャー。携帯電話やモバイル端末の商品企画を担当した後、経営企画業務に従事。まちづくり実証実験など全社横断の5G推進プロジェクトをけん引した後、オープンイノベーション推進に向けたコーポレートベンチャリング活動に参画。


峯藤健司◎ビジネスイノベーション本部コーポレートベンチャリング推進グループ。光通信技術の研究開発に従事。研究開発戦略策定や資源配分を担当した後、オープンイノベーションを起点とした新規事業開発の推進を担い、スタートアップのハンズオン支援を数多く経験。MEイノベーションファンドの立ち上げを主導。


丹羽祐二◎ビジネスイノベーション本部コーポレートベンチャリング推進グループ。FAシステム事業 の国内外営業やマーケティング業務に従事した後、スマートメーターシステムの海外事業立ち上げをけん引。欧州ではポーランド、東南アジアはタイ、インドネシアで事業企画から顧客開拓まで一気通貫でプロジェクトを推進。

Promoted by 三菱電機 / text by Kyoka Kanzaki / photographs by Kei Ohnaka / edit by Hirotaka Imai