2020年初頭に以前のスタートアップのSocialRankを売却した二人は、ネットワーキングのためのアプリの「Upstream(アップストリーム)」を立ち上げ、現在はそのフォーカスを暗号通貨コミュニティに移している。
昨年11月に、DAO(分散型自律組織)の立ち上げを支援するツールの「Upstream Collective」を発表したアップストリームは3月9日、シリーズAラウンドで1250万ドル(約14.5億円)を調達し、評価額が8000万ドルに達したことを発表した。
今回のラウンドはBoldstart Venturesが主導し、Tiger Globalを含む複数の投資家が参加した。
アップストリームは、暗号通貨コミュニティで注目を集めるDAOを、より多くの人に身近なものにしようとしている。DAOというのは、イーサリアムなどのプラットフォーム上に構築される分散型の投資組織で、投資先をファンドの参加者の投票で決め、利益が上がれば投資者にトークンを分配する仕組みになっている。
同社のツールであるUpstream Collectivesは、ガバナンスや投票、ウォレットなどのDAOの主要要素を統合し、ノーコードでプロジェクトを立ち上げて管理することを可能にする。同社のCEOのトーブは、今後数カ月以内に、数回のクリックで簡単に新たなDAOプロジェクトを立ち上げ可能にすると述べている。
「現在のDAOは、1980年代のウェブサイトのような状態で、プロジェクトを立ち上げるのが非常に難しい。我々はそれを変えていく」とトーブは話している。
DeepDAOのデータによると、世界のDAOに集められた資金の総額は80億ドル以上に達しており、Upstream Collectivesは現在、テストユーザーから200万ドルを集めている。同社は、プロジェクトが集めた資金の2%を収益にしている。