親しまれてきたコンパクトサイズと指紋センサーは継続
最初にまず新旧iPhone SEが「変わらなかったところ」を確認しよう。ディスプレイは同じ4.7インチのRetina HDとして、本体の外形寸法も変えずにキープした。質量は新しいiPhone SEがわずかに4gほどアップしている。
カラーバリエーションはスターライト/ミッドナイト/Product REDの3色
本体フロント側にはホームボタンを兼ねる指紋認証センサー「Touch ID」が継承された。次の新しいiOS 15.4以降からFace IDを搭載するiPhoneがマスクを着けたまま画面のロックを解除できるようになることが発表されていたので、筆者はこの機会にアップルがiPhoneをすべてFace ID搭載機に入れ替える可能性もあると考えていた。
フロント側ホームボタンにTouch IDを搭載。指紋認証による画面のロック解除、Apple Payの支払いなどが素速く行える
だが実際には発表イベントの壇上でティム・クックCEOが述べていたように、日本を含む世界各地で「ホームボタンを搭載するコンパクトなiPhone」に寄せられる期待は今もなお大きいようで、アップルはこれを無視するわけにいかなかったのだろう。
私事になるが、筆者にもようやくスマホデビューを果たした高齢になる家族がいる。指で画面をタップしたりスワイプする操作にはなかなか馴染めずにいるが、やはり押すと手応えが返ってくるボタン操作は比較的覚えやすいようだ。
最新のA15 Bionicチップを搭載 長く使えるiPhoneにこだわった
第3世代のiPhone SEは、5G対応のほかにも表には見えにくい骨太な進化を遂げていた。重要なポイントは大きく2つある。
ひとつは最新のiPhone 13シリーズも搭載するA15 Bionicチップが、エントリーモデルであるiPhone SEに惜しげもなく採用されたことだ。
A15 BionicはiPhoneのパフォーマンス向上を引き出すとともに、駆動時の電力消費を低く抑えられる高効率なチップだ。5G対応の新機種はネットワーク通信時に4G LTEよりも電力を多く消費する負担の大きなタスクをこなしているが、第2世代のiPhone SEよりもバッテリーの持続時間は長く伸びている。例えばビデオ再生を連続で2時間以上、オーディオ再生は10時間以上長く楽しむことができる。
アップルのイベントでは、iPhone SEが最新のA15 Bionicチップを搭載したことで、この先も無料で提供されるiOSのソフトウェアアップデートによる機能追加が長く楽しめるメリットについても強調されていた。新しいiPhone SEは「中味が古くならないiPhone」なのだという。