ビジネス

2022.03.14

「脱クッキー」時代のEコマースを支えるBloomreach、評価額22億ドルに

Getty Images

Eコマースの浸透とともに、消費者はより洗練されたエクスペリエンスを求めている。クラウドベースのEコマースプラットフォーム「Bloomreach」は、ショップ運営者がそうした期待に応えることを支援している。同社は、AI(人工知能)を活用してスムーズなショッピング体験を実現し、精密なレコメンドを提供している。

アップルやグーグルがプライバシー保護のためにサードパーティCookieの廃止に動く中、Bloomreachは消費者をネット上でストーキングすることなく、それを実現している。

「今後のEコマース業界では、エクスペリエンスの差別化が勝敗を分ける」と、BloomreachのCEO兼共同創業者であるRaj De Dattaは話す。Eコマース業界で比較的新しいプレーヤーであるBloomreachは、企業のニーズに焦点を当てることで差別化を図っている。

同社は、数十億件ものデータを用いて独自のデータエンジンを構築し、顧客がサイトから離脱することを防止している。Bloomreachは2月23日、1億7500万ドル(約200億円)を調達し、評価額が前回ラウンドの2倍以上の22億ドルに達したことを発表した。今回のラウンドは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが主導し、既存株主であるベイン・キャピタル・ベンチャーズとSixth Street Partnersが参加した。

「この分野の大手企業は、ヘッドレスコマース化(ECサイトのフロントとバックエンドを切り離し、独立した形で構築すること)の流れに対応する中で、シームレスな顧客体験を提供することに苦戦している」とゴールドマン・サックス・グロースエクイティでマネージング・ディレクターを務めるStephen Kernsは話す。

「Bloomreachは、カートやカタログなどのツールは提供せずに優れたサービスを提供しており、幅広さよりも深さで勝負している」と、調査会社フォレスターのシニアアナリスト、Joe Cicmanは言う。
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編集=上田 裕資

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