テクノロジー

2022.03.10 07:30

米タイム誌「今年の発明品100」に選出 イスラエルの英雄がつくった「目」


AI AS A COMPANION 「相棒」としてのAI





ウェアラブル資格支援デバイス「OrCam MyEye(オーカム・マイアイ)」は全盲および弱視の利用者が使いやすいように、直感的なタッチやスワイプで操作できる作りだ(上)。磁気式で軽量なのでメガネのフレームに簡単に装着できる。実際に装着して新聞を読む共同創業者のジブ・アビラム(下)。モービルアイの共同創業者でもある。ちなみに、社名の「Or」は聖書ヘブライ語で「光」を意味し、英語の「物体認識(Object Recognition)」の頭文字でもある。「Cam」は英語の「カメラ(Camera)」に由来し、聖書ヘブライ語で「全盲」の意味もある。

HIS ANSWERS シャシュア教授の社会への答え




コグニテンス
1995年創業、3D光学的測定機器開発企業。シャシュアが立ち上げた最初の会社。ベルテックスなどの出資を受け、2007年にスウェーデンの多国籍企業ヘキサゴンが買収。



モービルアイ
1999年創業、先進運転支援システム(ADAS)開発企業。2014年にニューヨーク証券取引所へ上場後、17年にインテルが買収。21年12月、インテルが再上場を発表した。



AI 21ラボ
2017年創業、自然言語処理(NPL)開発企業。AIの権威で米スタンフォード大学教授のヨアフ・ショーハムと、若手起業家オリ・ゴシェン、シャシュアの3人が組むことが話題に。



ファースト・デジタル・バンク
2019年創業、フィンテック企業。イスラエルにとって50年ぶりの銀行創設。「今のフィンテックは扱っている領域が狭い。AIを使えばもっとできる」(シャシュア)。


オーカムテクノロジーズ◎2010年創業、イスラエルのAI(人工知能)搭載型視覚支援デバイス開発企業。創業者は、アムノン・シャシュアとジブ・アビラム。ウェアラブル端末「OrCam MyEye(オーカム・マイアイ)」と読書端末「OrCam Read(オーカム・リード)」を開発。それぞれ、19年と21年に米誌タイムで「今年の発明品100」に選出されている。

アムノン・シャシュア◎オーカムテクノロジーズ共同創業者。同社のCEO(最高経営責任者)とCTO(最高技術責任者)を兼務する。イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学教授で、専門は、AIとコンピュータ・ビジョン。モービルアイなども創業した世界屈指の連続起業家。

文=井関庸介 編集=森 裕子

この記事は 「Forbes JAPAN No.090 2022年2月号(2021/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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