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人類の存亡にとって「三大災厄」といえる天災・疫病・戦争がロイヤルストレートフラッシュで揃ったような2022年春。時の人物、プーチン大統領に焦点を定め、その心の旋律を分析する“ライナーノーツ”を提供したい。
「トイレ・キッチン共用住宅」で育った少年が━━
ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン。ロシア連邦第2・4代大統領。1952年、旧ソ連のレニングラード（現サンクトペテルブルク）で生まれた。報道などを参考に以下、経歴をまとめる。
第二次世界大戦の対ドイツ戦のさなか、兄2人が死亡。戦後生まれのプーチン氏は両親とトイレ・キッチン共用住宅の3人暮らしで、華奢な少年に育った。けんかや非行が絶えなかったという。
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人生の転機となった2つの出会い。それが13歳ころに始めた柔道と、高校生のころ観たスパイ映画だった。戦時中、日本で諜報活動をして処刑されたゾルゲになりたかったという。
1975年に大学を卒業すると国家保安委員会（KGB）に入職。83年に結婚し、2年後旧東ドイツのドレスデンに赴任。西側要人へのスパイ勧誘などを担当し、中佐として89年のベルリンの壁崩壊を経験した。91年にはソ連が崩壊し、ロシア連邦が成立。
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏（Getty Images）
プーチン氏は出向先のレニングラード国立大学で、改革派教授の下に就き、市長に転じた教授が失脚すると、96年大統領府（クレムリン）に移った。2年でKGBを引継いだ連邦保安局（FSB）長官に就任。
99年、エリツィン大統領の汚職疑惑の際、プーチン氏は剛腕を発揮した。捜査側トップである検事総長の、売春婦との盗撮動画流出に関して、動画にお墨付きを与え検事総長を更迭に追い込んだ。その年首相に就任し、モスクワで起きた爆破事件の首謀者をチェチェン人テロリストと断定、第二次チェチェン紛争に介入した。
翌2000年の大統領選では民衆の高い支持を得て当選。以後、憲法の制約で途中、首相時代を挟み、ロシア大統領として君臨した。憲法改正案に署名し、任期を最長2036年まで延長できるようにしている。
8年前、ロシアはクリミア併合を強行した。そして、今回のウクライナ侵攻。理由のひとつは本来、冷戦時代の産物であるNATO（北大西洋条約機構）に旧ソ連から独立した国々が加わり、ウクライナも加盟の動きを見せていることへの反発とみられている。国際世論は中国やシリア、北朝鮮などを除き、ロシアへの非難が大半を占める。ロシア国内でも今回の侵攻には反対の動きが高まっている。
