──現在の課題や目標について、どのようにお考えでしょうか?
「3x3.EXE PREMIER」はまだ、ホップ・ステップ・ジャンプの「ホップからステップのあいだ」くらいにいて、もっともっとエクスパンションできると考えています。
初めて正式種目に採用された東京オリンピックを機に日本でも国際的にも、これまでアンダーグラウンド的だったイメージがよりパブリックな存在として、ポジティブに転換されたことも追い風となっています。
参加チーム数も現在の103から、2024年までに200チームにすることを目標としていますし、さらには10倍以上にできると考えています。
開催国に関しても、現在の3カ国1地域からもっと広げられるはずです。先ほどリーグやステークホルダーにとってリスクが軽減されている話をしましたが、同様に海外での参入障壁も低いわけですから。
我々が目指しているのは、1回のイベントに瞬間風速的に何万人をどーんと集めるものではなく、「地域のお祭り」なんです。一つ一つは小粒かもしれないけれど、それが合わされば大きな力になる。Jリーグで1試合2万人集めるとしたら、我々は2千人のにぎわいを10カ所作るイメージです。
国内はもちろん、世界中で3x3のお祭りができたらいいなと考えているんですよ。
3x3.EXE PREMIER THAILAND
──ファンとのエンゲージメントについてはいかがでしょうか? スタジアムやアリーナのような決まった「箱」に何度も来てもらった方が効率が良いという考え方もあると思います。
1人の選手がファンを1万人集めるとしましょう。1人で100人集められる選手が100人いる場合、同じく1万人になりますよね。我々の世界観はどちらかというと後者なんです。
凝縮性という点では、1人対100人の方が高いと思うんですよ。選手がファンの顔を認識していて、なんなら連絡先まで知っているような関係です。
──だからテレビCMなど、大規模なプロモーションを行うこともないのですね。
その通りです。ある意味ロングテールのモデルで、地道に選手とチームを増やしていけば、自ずと大きな規模になると考えています。スターも生まれてくるだろうし、すごく人気のチームも出てくるでしょう。
このモデルの良さは、フックポイントがたくさんあることだと思います。100人いれば色々な「多様性」がある。フックポイントの種類が圧倒的に多くなるはずなんですよ。
現代社会がどんどんデジタル化されていく中で、もちろん新たなテクノロジーを有効活用しながら、より「当事者感」のあるリアルなライブを作り出していきたいと考えています。