ビジネス

2022.03.06 11:30

独占!イスラエル外務省から入手。スタートアップ21社「秘蔵ファイル」


Ecowave Power エコウェーブパワー
https://www.ecowavepower.com

海洋の波からエネルギーを抽出し、電気に変換する波力発電テクノロジーを開発する企業。波力発電の多くは沖合で運用されているため、保守コストが高く海洋生物への影響が懸念されるが、同社は主に防波堤など海岸の構造物に接続した小型ユニットで、低コストな波力発電を実現している。イスラエル国内に加え、ジブラルタル海峡でテスト運用を行っている。共同創業者でCEOのインナ・ブレイバーマンは、1986年のチェルノブイリ原発事故の2週間後にウクライナで生まれた女性起業家で、2011年に弱冠24歳で同社を共同創業した。

Augwind Energy オーグウインド・エナジー
https://www.aug-wind.com

電力を圧縮空気で蓄電するシステムを開発する企業。再生可能エネルギーの最大の矛盾は、クリーンなエネルギーの貯蔵を、有害物質を発生させるリチウムイオン電池に依存していることだが、同社はエアバッテリーと呼ばれるクリーンな蓄電の仕組みを開発。太陽光発電所や風力発電所に最適な蓄電量を、低価格で最小限の土地面積で提供可能にする。19年に上場した。蓄電システムとは別に、圧縮空気を使用する工業プラント向けの電力消費が少ない圧縮空気システムAirSmartを商品化し、ペプシコやシーメンスなどの大手に提供中。

SPACE|宇宙


SpacePharma スペースファーマ
https://www.space4p.com

生物医学や薬学の実験を微重力環境で行える「ミニ実験室」を搭載した小型人工衛星を宇宙空間に送り込む企業。ジュークボックスほどの大きさの箱の中に、バイオ研究のための最新設備を搭載し、各種の実験を地上からの遠隔操作で可能にしている。創業者でCEOのヨッシ・ヤミンはイスラエル国防軍の出身で2012年に同社を設立。15年のシリーズAラウンドで2000万ドルを調達したが、欧州の宇宙分野のベンチャーキャピタルが主導するシリーズBラウンドで、さらに2000万ドルを調達し、宇宙でワクチンを製造したいとメディアの取材で語っている。

Apollo アポロパワー
https://apollo-power.com

携帯電話から住宅まで、あらゆるものを充電可能なフレキシブルな太陽電池パネルを製造する企業。ルノー・日産・三菱のイノベーションラボを通じて、自動車の屋根に設置するソーラールーフトップパネルの開発を進めている。また、イスラエルの防衛関連企業のラファエル社とも実証実験を実施している。CEOのOded Rozenbergは太陽電池のメリットについて、必要な場所で電気を作ることが可能で、輸送コストを削減できる点だと述べている。道路や橋、公園などの公共インフラでの活用に加え、将来的には宇宙での利用も視野に入れている。
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編集=上田裕資

この記事は 「Forbes JAPAN No.090 2022年2月号(2021/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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