ビジネス

2022.03.06

独占!イスラエル外務省から入手。スタートアップ21社「秘蔵ファイル」




Moodify ムーディファイ
https://www.moodify.today/

特殊な「香り」で運転中の集中力を高めたり、リラックスさせたりするテクノロジーを開発する企業。ワイツマン科学研究所の10年以上の研究の成果を用いて開発した香りを、様々な領域に活用している。創業者のイガル・シャロンはヘブライ大学で心理学を学んだ起業家で2017年に同社を設立。当初は自動車向けの嗅覚制御デバイスに注力した後、その適用範囲を拡げた。21年10月、プロクター・アンド・ギャンブル社が主導しトヨタベンチャーズや大正製薬、OurCrowdが参加したラウンドで800万ドルを調達したことを発表し、25人の社員数を50人弱に伸ばすと宣言した。

AlgoLion アルゴライオン
https://www.algolion.com/

リチウムイオン電池の問題を早期に検知し、バッテリーの劣化や火災を防ぐ診断ソフトウェアAlgoShieldを開発する企業。同社のソフトウェアは欧州最大の第三者認証機関であるドイツのテュフズードなどの審査に合格している。また、米国のボーイングも連邦航空局に利用を推奨している。医療分野でも目覚ましい成果をあげ、重症心不全患者の補助人工心臓に電力を供給するワイヤレスシステムを開発する企業のLeviticus Cardioにも利用されている。CEOのNiles Fleischerは、1992年にワイツマン科学研究所で電気工学と材料科学の博士号を取得。

SAFETY MANAGEMNET|安全マネジメント


Fortellix フォーテリックス
https://www.foretellix.com/

ビッグデータと人工知能(AI)を活用し、自動運転システムが路上で遭遇する可能性のあるシナリオを作成し、ADAS(先進運転システム)や自動運転車の「測定可能な安全性」を評価する検証プラットフォームを運営。車両メーカーやサプライヤー、保険会社、規制当局などに検証データを提供している。2018年に設立され、21年のシリーズBラウンドでは、3200万ドルをボルボの投資部門などから調達。日本のデンソーとも提携している。共同創業者の2人は米国の半導体開発用ソフトウェア企業ケイデンスで検証部門を率いていた。

DriveU.auto ドライブユー
https://driveu.auto/

2019年に設立され、翌年のシードラウンドで400万ドルを調達した自動運転車両の遠隔操作システム開発企業。車両の遠隔操作に欠かせないのが、高画質の動画を遅延なくコントロールセンターに送り、リアルタイムで車両や道路の状況を把握することだが、同社は独自の動画エンコード技術と、セルラーボンディングと呼ばれる複数の電話回線を同時に使用して通信スピードと通信品質を確保するするテクノロジーで、遅延のない高画質な4K動画やオーディオを実現している。映像伝送システムの世界的大手LiveUからスピンアウトする形で設立された。

RideVision ライドビジョン
https://ride.vision/



コンピュータビジョンとAIを活用したオートバイ向けの衝突防止システムを開発。バイクの前後に搭載した2台の広角カメラで取得したデータで周囲の状況を把握し、他のオートバイや車両との距離が縮まりすぎた際に、左右のミラーの警告灯でアラートを発するシステムを提供している。走行データは、システム内に貯蔵され、専用アプリから確認可能で、ドライブレコーダーや緊急通報システムの搭載も予定されている。2018年の設立で20年のシリーズAで、イスラエルのOurCrowdの主導で700万ドルを調達した。自動車部品メーカーのコンチネンタルとも提携。
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編集=上田裕資

この記事は 「Forbes JAPAN No.090 2022年2月号(2021/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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