ビジネス

2022.03.06

独占!イスラエル外務省から入手。スタートアップ21社「秘蔵ファイル」

次々と“ユニコーン”を生み出すスタートアップ国家にはキラリと光る会社が無数にある。新興企業を国外に発信しているイスラエル外務省のラン・ナタンゾン氏にオススメを聞いた。


CYBER-SECURITY|サイバーセキュリティ


Karamba Security カランバ・セキュリティ
https://karambasecurity.com/

コネクテッドカーや自動運転車両をサイバー攻撃から守るセキュリティシステムを開発する企業。車両の電子制御ユニットへのハッカーの侵入を防ぐ。2015年の創業で翌16年にForbes Israelの「イスラエルで最も有望なサイバーセキュリティ企業トップ10」に選ばれた。顧客企業はデンソー、アルパイン、日立、サムスンSDS、フィアット・クライスラー、ボルボ、ヒュンダイなどの大手。累計2700万ドルを調達しており、21年12月にベトナムの新興自動車メーカーVinFastの主導で1000万ドルを調達。サムスンの投資部門のSVICも参加した。

Guardknox ガードノックス
https://www.guardknox.com/

戦闘機やミサイル防衛システム向けのサイバーセキュリティ技術を、自動車のセキュリティに応用する企業。2016年の創業でイスラエルとドイツのシュトゥットガルト、米デトロイトに拠点を置いている。共同創業者でCTOのディオニス・テシュラーは、イスラエル空軍で戦闘機の「F15」「F16」、ミサイル防衛システム「アイアンドーム」などのサイバーセキュリティに携わった経歴を持つ。すでにポルシェ、ダイムラー、メルセデス・ベンツなどの企業にシステムを販売しており、中国、日本、北米の企業にも展開していく予定という。

NanoLock Security ナノロック・セキュリティ
https://www.nanolocksecurity.com/

電気や水道などの公共インフラやIoTシステムのセキュリティを守る企業。スマートメーター大手のGenus Powerなどの国際パートナーを通じ、米国、イタリア、インド、オランダ、日本の公共インフラや企業をヒューマンエラーやサプライチェーン攻撃から守っている。21年7月に実施したシリーズBラウンドで、1100万ドルを調達。既存出資元のAWZ Ventures(カナダのスティーブン・ハーパー元首相を含む個人投資家グループ)に加え、イスラエルのVCのOurCrowdなどが出資に参加した。イスラエルと米国、欧州、日本に拠点。

DRIVE MANAGEMENT|運転マネジメント


ADAM CogTec アダム・コグテック
https://www.adam-cogtec.com/

運転者が疲労や眠気を感じていないか、アルコールや薬物の影響下にないかなど、主に運送業界のドライバーの認知状況を監視するテクノロジーを開発する企業。同社の技術は、最先端の脳科学や認知神経科学の研究結果に、AIやディープラーニングなどの技術を組み合わせたもので、ダッシュボードに設置したLEDライトをドライバーの虹彩に照射し、その反応を記録して運転に適した状態かどうかを判断している。2018年に設立され、20年7月に三菱商事が支援するモビリティ企業に特化したVCのMobilion Venturesから200万ドルを調達。
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編集=上田裕資

この記事は 「Forbes JAPAN No.090 2022年2月号(2021/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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