ロシア兵たちには、「将校たちに逆らっても、戦車を後退させても、戦うことをやめてもいいのだ」と知らせる必要がある。そして同時に、安全に投降し、軍を離脱し、それによってどのような恩恵を受けることができるかについても、教えなければならない。
チラシの配布以外にも、若い兵士たちを助け出す方法はいくつもある。米政府が運営するラジオ・フリー・ヨーロッパの機能を大幅に引き上げると同時に、安価な手回し充電ラジオをウクライナに送り込むというのも、そのひとつだ。
罪悪感を抱え、退屈し、お腹をすかせたロシアの徴集兵たちが、与えられた任務の道徳性に悩まされている今、まさにその心を引き寄せるために、役立つものになるだろう。
これらの行動はすべて、それほど多くない費用で、即座に、簡単に実行することができる。また、法律の範囲内と考えられる行動だ。そして、こうした「昔ながらのやり方」は、実行が難しくない上に、行う側にもそれを受ける側にも、比較的安全なものだ。
チラシが誰かを負傷させることはない。どの徴集兵がチラシを拾ったか、ラジオから聞こえる声を聞いたか、追跡することは困難だ。一方、自分のスマートフォンで「軍から離脱する方法」を検索し、その後もそのスマホを持っていれば、そのロシア兵にはどのようなことが起きるだろうか。
ロシアの徴集兵たちが現在のような状態にある今こそ、その状況を最大限に活用すべきだ。
(筆者は米海軍大学院で教壇に立った経験もある、国家安全保障が専門のコンサルタント)