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2022.03.05 07:00

台湾の美容系アプリPerfect社、評価額10億ドルでSPAC上場へ

(c)Perfect Corp.

(c)Perfect Corp.

台湾に本社を置くファッションと美容系アプリの開発会社「パーフェクト・コーポレーション(Perfect Corp.)」は3月3日、評価額10億ドルでSPAC(特別買収目的会社)と合併し、米国で上場すると発表した。

2015年設立の同社は、AI(人工知能)やAR(拡張現実)を美容やファッション分野で活かそうとしている。パーフェクト社が開発したアプリは、ユーザーが自分の肌の状態を分析したり、メイクアップやヘアカラー、アクセサリーなどをバーチャルに試着することを可能にする。

同社の技術は、エスティ ローダー カンパニーズのブランドである「マック」や「クリニーク」などの美容ブランドに採用され、フェイスブックの親会社のメタやスナップ、アリババのECサイトとも提携し、化粧品の試着ツールを提供している。

パーフェクト社は3日、ナスダック上場の「プロビデント・アクイジション」社と合併する契約を締結したと発表した。この合併で同社は、シャネル、資生堂などの投資家から集めた5000万ドルのPIPE(私募増資)を含め、最大で3億3500万ドル(約380億円)を調達する予定という。

パーフェクト社の投資家には、ゴールドマン・サックス、アリババ、台湾上場のマルチメディアソフトウェア企業のサイバーリンクなどが名を連ねている。同社は現在、事業のほとんどを米国と欧州に置いているが、今後は東南アジアと中東に拡大する計画という。創業者でCEOのアリス・チャンは、バーチャル試着サービスを拡大し、より多くのオンラインプラットフォームをカバーしていくと述べた。

ARアプリケーションは、パンデミックの間に人気を博し、ルイ・ヴィトンやグッチなどの高級ブランドも、顧客が商品を購入する前にバーチャルで試着することを可能にしている。 チャンはまた、メタバースにおいても、バーチャル試着が重要な役割を果たすことになると述べている。

彼女は、20年近くCEOを務めたサイバーリンクからスピンオフする形で2015年にパーフェクト社を設立し、顔認識やARなどのテクノロジーの開発を進めてきた。同社は、バーチャルメイクや写真加工のアプリも運営している。

パーフェクト社のアプリは世界で9億5000万回以上ダウンロードされており、昨年は約100億回のバーチャル試着を提供したという。

編集=上田裕資

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