しかし、パンデミックがなかった頃も、新しいシーズンはチャンスをもたらしてくれていた。つまり、その時々の現状に、自らのスキルや才能をうまく当てはめて、人の役に立ち、問題を解決するにはどうすればいいのかと考えるための機会だ。
3.自己理解を深められる
キャリアのシーズンを何度も通過していく過程で、新しいことにチャレンジし、自己理解も深まっていく。これまで経てきたキャリアのシーズンを振り返ることで、自分のパターンや優先事項が見えてくるはずだ。
自分はチームメンバーとして働くのが好きなのか、ひとりで取り組むほうが合っているのか。システム化された環境で働くほうが能力を発揮できるのか、日常業務を柔軟に決められるほうを好むのか。ノルマを設定してその達成に向けて取り組むほうがやる気が出るのか、それとも、会社のミッションと合致した有意義なインパクトを与えるほうがモチベーションアップになるのか。
こうしたことをよく考えることによって、見えてくるものがあるはずだ。自分は、どんな人と、どんな時間を過ごしているのか。何をすると気力がわいて前向きになり、成長できるのか。あるいは、どんなときに気力が失われ、否定的になるのか。低迷し、ひどいときには何歩も後退してしまうのか。自分が楽しめることや、できれば避けたいことは何か。どのようなスキルが広く応用可能で、一貫して求められているのか。自分が最も充実感を得られたときはいつだったのか。そうしたことがわかってくる。
そうした気づきがみな、さらなる自覚を促し、自分に最適なことを把握する手助けとなる。そして、次なるキャリアのシーズンで取り組むべきこと、避けるべきことを指し示してくれる。
キャリアを、「シーズンの繰り返し」として意識的に見直してみよう。そうすれば、プロとしての能力が伸び、自らの才能と、その時点で必要とされていることを調和させ、キャリアで優先すべき事柄が見えてくるはずだ。