キャリアを「季節の繰り返し」と見るべき3つの理由

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あなたが大半の人と同じなら、これまでのキャリアで、さまざまな段階や局面を通過してきたはずだ。

キャリアへの第一歩を踏み出したばかりのころは、新しいスキルを習得し、経験を積もうと必死だっただろう。しばらくすると、一歩引いて冷静になり、自分自身を見直したり、心構えを立て直したりする必要があると感じたかもしれない。あるいは、携わる業界を変えたり、会社を辞めて独立したりと、大きく方向転換したときもあったのではないだろうか。

キャリアで目指すことが何であれ、その過程には、目標に応じた「シーズン(季節)」がある。実際の春夏秋冬のように、あなたのキャリアも、四季を繰り返していくだろう。しかも、1回のみならず何度もだ。

そこで、キャリアを「繰り返すシーズン」として考えるべき理由を説明しよう。

1.能力を高めて成長し続けようという意欲がわく


新たな季節の訪れは、変化の兆しであり、成長の機会だ。パンデミックや組織の再編など、外部からの力で変わることを余儀なくされる場合もあれば、物足りなさや自らに挑戦したいという、内なる思いに突き動かされる場合もある。

キャリアの現在のシーズンは、もはや自分に不適切だと思うなら、それ相応のシーズンへと移ればいい。企業で長年の経験を積んできた人なら、新しいキャリアのシーズンを始めるには起業するしかない、と考えるかもしれない。逆に、個人事業主として独力で働いてきた若い人なら、次のキャリアのシーズンでは、チームベースの企業に就職し、有益なソフトスキルを身に着けようと決断する可能性がある。

キャリアのシーズンは、それぞれ明確な目的を持っている。何かを始める契機のシーズンもあれば、前シーズンを土台に発展するシーズンもある。それらが積み重なって、経験や能力を得ていくのだ。

2.現状に合った能力に集中できる


自然が繰り広げる四季のように、キャリアのシーズンにも特有の時期があり、その時々の周囲の状況と調和している。たとえば、夏にやることと冬にやることは大きく違う。何かをやろうとしたとき、あるシーズンでは困難(あるいはほぼ不可能)だったのに、別のシーズンになると、苦労せずに自然とできる場合がある。

ここ数年を振り返ってみよう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが起きたことで、ほぼ誰もが、方向を転換したり順応したりすることを迫られ、新たなキャリアのシーズンを受け入れなくてはならなかった。前途有望な基調講演者たちは、ひとり残らず、「対面での講演活動」というシーズンから、現状に見合った「オンラインでの講演活動」という別のシーズンに移行せざるを得なかった。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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