経済・社会

2022.03.04 07:00

急騰の原油価格、今後も上昇が見込まれるこれだけの理由


長引くサプライチェーンの混乱:サプライチェーンの問題も終息の兆しがないことから、2022年は、前段で挙げたコスト上昇にさらに拍車がかかるとみられる。

夏のドライブシーズンの到来:5月末になると、毎年恒例の、さらに価格を押し上げる圧力が加わる。この時期になると夏のドライブシーズンが始まるのだ。家族連れが夏休みの旅行に出かけることから、ガソリン供給がさらに逼迫することは避けられない。

OPECプラスの原油供給能力不足:石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国で構成する「OPECプラス」参加国の一部、いや、おそらく大半の国々は、今やグループ内で合意したはずの生産ノルマを果たすことが難しくなっている。供給能力にかなりの余力を抱えている加盟国は、サウジアラビアとアラブ首長国連合(UAE)の2カ国だけだと専門家が指摘する声も出ているほどだ。ゆえに、OPECプラスから本格的な追加供給があると期待するべきではない。

ロシアへの経済制裁:ロシアのウクライナ侵攻を理由に、米国をはじめとする世界の国々は、経済制裁の強化に踏み切った。これにより、日産1000万バレルあるロシアの原油生産量が減少する可能性がある。

大幅な増産は望めない米国の石油業界:米国の石油業界も、2022年内にある程度のレベルの増産に踏み切るだろう。だが、そのペースはゆっくりしたものになる見込みだ。加えて、サプライチェーンの混乱、国内最大のシェールオイル生産地であるテキサス州のパーミアン盆地における水圧破砕法で使われるフラックサンドの不足、さらには増産を妨げるバイデン政権の政策などに影響を受け、生産計画が思うように進まない可能性もある。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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