ロシア版グーグル「Yandex」創業者がビリオネアから転落

「Yandex」CEOのアルカディ・ヴォロズとウラジーミル・プーチン大統領(Mikhail Svetlov / Getty Images)


デジタル銀行ティンコフ創業者の資産は90%減


さらに、ガーディアンの報道によると、2019年にヤンデックスは「国の利益を守る」ために新たに設立された公益財団に「黄金株」を与える再編に合意しており、クレムリンの同社に対する影響力も懸念されている。

昨年9月に、プーチンの批判者として有名な元ヘッジファンド投資家のビル・ブラウダーは、ロシアの起業家がまもなく困難な状況に直面するだろうと予測していた。彼は、ヤンデックスのようなハイテク企業は今後、「独裁者の言いなりになる」ことと事業のバランスを取ることの必要性に迫られ、その未来が「シリコンバレーの企業ほどバラ色ではない」と述べていた。

ロシアがウクライナに侵攻してからの数日間で、フォーブスの億万長者リストから転落したビリオネアは、ヤンデックスのヴォロズだけではない。フォーブスのビリオネアトラッカーによると、少なくとも10人の富豪の保有資産が10億ドルの基準を割り込んでいた。

中でも最も注目すべきは、ロンドン証券取引所に上場するデジタル銀行ティンコフ(Tinkoff)の創業者のオレグ・ティンコフで、彼の同社の持ち株の価値はロシアのウクライナ侵攻が始まって以降に90%以上も減少した。ティンコフは1カ月足らずのうちに50億ドルの資産を喪失し、3月1日にヴォロズと共に、ビリオネアの地位を失っていた。

翻訳=上田裕資

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