イケアがロンドン中心にモール開設 コミュニティーに重点置く

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彼女によると、インカ・センターズは欧州・北米の主要都市で店舗の設置場所をさらに探す予定だ。こうした店舗ではその土地に合わせ、小規模版イケア店舗をコミュニティーを意識した販売やサービスと組み合わせる。例えばサンフランシスコ店では、地元の起業家向けのコワーキング空間や新たなフードのコンセプトが採用される予定だ。

コミュニティー空間としてのモール


アンデシェンは「重要なのは、コミュニティーに属し誰もが歓迎される場所を作ること」と述べた。

「出会いの場はこれまでに増して重要になり、ネット販売か実店舗のどちらかを選ぶという考え方からは離れる必要がある。当社は、人々が一緒に思い出を作る場所を構築する重要性を強く信じている。リバットは、コミュニティーと目的地の両方となるよう設計されている」(アンデシェン)

リバット・ハマースミス店の立ち上げは、インカ・センターズの約56億5000ドル(約6500億円)に及ぶ世界的な拡大において大きな節目だ。中国では既に新たな拠点が4カ所開設されていて、最近ではインドに2拠点を構える計画が発表された。

2つ目の都市店舗はサンフランシスコ中心街のマーケット通り945番地で現在既に開発が進められていて、3つ目はトロント・ヤング通り382番地のオーラ・リテール・ポディアム(Aura Retail Podium)になる。

今回の新店舗開設は、ロンドンで今後3年にわたり実施される約13億5000万ドル(約1560億円)の投資の始まりでもある。その目玉が、2023年秋に予定されているオックスフォード通りのイケア開店や新たな配送サービスだ。

この一つがコレクト・ニア・ユー・ロッカーズ(Collect Near You Lockers)で、シフト(Shift)やアクセス・セルフ・ストレージ(Access Self Storage)との提携により、ロッカーから半径45キロメートルの範囲の顧客に提供される。

サービス料金は13.5ドル(約1560円)で、270ドル(約3万1000円)以上の注文は配送料無料だ。同サービスは試験中の場所が2カ所で、3カ所は現在計画段階にある。成功すれば、2022年末までにロンドンの20カ所でサービスが導入され、同市はイノベーションのたたき台として活用される。

イケア英国・アイルランドのカントリー販売責任者で最高サステナビティティ責任者のピーター・イエルケビーは「より顧客中心になることをシンプルな目標とし、小売・電子商取引の分野で世界を率いる革新的かつ刺激的な市場の一つとして、ロンドンにおけるオムニチャネルな投資を強化する」と述べた。

翻訳・編集=出田静

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