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2022.03.04

韓国の電子コミックRIDIが評価額13億ドルに、米国事業を強化

(c) RIDI

韓国の電子書籍とウェブコミックのプロバイダーの「RIDI」は、シンガポールの政府系ファンドGICが主導した資金調達ラウンドで、評価額13億ドルで9940万ドル(約110億円)を調達した。同社は、韓国のコンテンツプラットフォームのスタートアップとしては初めて、ユニコーンの地位を獲得した。

その他の主要投資家にはNvestorや既存出資元の韓国開発銀行、韓国の暗号通貨取引所Upbitを運営するドゥナムの出資元のAtinum Investmentなどが含まれている。RIDIの累計調達額はこれで1億5940万ドルに達した。

RIDIは、今回の調達資金を、グローバル拡大の強化やオリジナルコンテンツへの投資、現状で推定11万1000人のクリエイターが参加する「コンテンツバリューチェーン」の開発に充てると述べている。

同社は昨年8月に電子コミックのサブスクリプションサービス「Manta」を米国で開始しており、年内の米国での上場を検討していると報じられている。

2008年設立のRIDIは、小説やウェブコミックなどの電子書籍に加え、動画やニュースなどを提供する韓国最大のデジタルコンテンツ企業の1社に成長した。同社は、アニメ配信サービスのLaftelや、電子書籍の小売サービスのRidibooksなども所有している。

ウェブトゥーンとも呼ばれる電子コミックの人気は、韓国でパンデミックの間に大きく高まった。12月に発表された政府のデータによると、2020年の韓国のウェブトゥーン業界の合計売上は8億4000万ドルを超えていた。

韓国の電子コミックのプロバイダーは海外進出に注力している。カカオエンターテイメントは昨年5月、米国に拠点を置くモバイルコミックプラットフォームTapasを5億1000万ドルで買収した。また、ネイバー傘下のWebtoon Entertainmentは、米国のDC ComicsやArchieなどとのコラボを通じて、アメリカ市場をターゲットにしている。

編集=上田 裕資

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