3人とも世界的に名の知れた、歴史上の人物であることには違いない。各者それぞれ違う領域で活躍し、違う時代を生き抜き、違う形で歴史に名を残した。言うまでもないが、ジョブズはテクノロジー、シャネルはファッション、ガンディーは政治。しかし、領域は違えど、リーダー、変革者、有力者などなど、考えるといろいろな切り口の共通点が見つかる。
だがここで考えたいのは、「彼らをリーダー、変革者、有力者たらしめた、共通の要素は一体何なのか?」ということだ。
それは英語で言うと「Independent Thinking(インデペンデント・シンキング)」、直訳すると「自立的思考」ではないかと思う。
イラスト=Yi Pan/I&CO
その定義は「独自の発想や解釈、あるいは従来の考え方に沿った検証を行うことができる能力」と、シンプルで言葉通り。要は自分なりの考え方が出来るかということだ。
調べてみると、ジョブズ、シャネル、ガンディー以外にも、トーマス・エジソン、アイザック・ニュートンのような技術者や科学者、レオナルド・ダ・ヴィンチやサルバドール・ダリのような芸術領域の人も、この自立的思考力を持っていたと言われている。
連載「レイ・イナモトが考える『世界に通用するキャリア』の作り方」第2回では、過去の偉人たちからヒントを得て、この自立的思考力が、今後の世界を生き抜くのに役に立つということを伝えたい。
「成功するか」よりも「必要とされるか」
世の中に自己啓発に関する書籍は多々ある。「どうしたら成功するか?」や「成功する秘訣」などの、ハウツー記事や本も溢れている。もちろんそのようなトピックは大切であり、ためにもなる。しかしこのコラムではどうしたら成功するかよりも、どうしたら必要とされる存在になれるのかという点に注目したい。
なぜなら、ジョブズやシャネルのような歴史的な大成功者にはそうそうなれないが、世の中で必要とされる存在になることは全ての人にとって十分可能であるし、そうなりたいと願う人がほとんどだと考えるからだ。
そして、必要とされる存在になることこそが21世紀の全ての人に共通した課題だと、世界的に有名な歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏も言っている。