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2022.03.02

印リライアンス会長、「アジア一の富豪」の座奪還

ムケシュ・アンバニ(Photo by Anshuman Poyrekar/Hindustan Times via Getty Images)

インドの財閥リライアンス・インダストリーズを率いるムケシュ・アンバニ(64)が今週、アジア一の大富豪の座に返り咲いた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵略などで原油価格が高騰するなか、インドでは2月28日、エネルギー関連銘柄の買いが拡大。エネルギーを最大の収益成長源とするリライアンスの株価も急伸した。

これにともない、リライアンス会長のアンバニの資産は同日、フォーブスの推計で約28億ドル(約3200億円)増加。同じインドの新興財閥アダニ・グループの総帥ゴータム・アダニと再び入れ替わるかたちで、アジアで最も裕福な人物になった。

フォーブスのリアルタイム世界長者番付によると、アンバニの推定資産額は3月1日現在およそ896億ドル(約10兆3000億円)で、世界全体では10位の富豪。アダニは877億ドル(約10兆1000億円)で11位となっている。

リライアンスはインド最大の規模をもつ小売事業部門でも追い風が吹いている。

ロイター通信によると、リライアンスは経営不振の地場スーパーマーケット大手フューチャー・リテールの少なくとも200店舗を取得できる見込みになった。フューチャーをめぐっては、出資している米アマゾンがリライアンスによる買収の差し止めを求めて、2年にわたって法廷闘争を繰り広げていた。

リライアンスはアンバニの父ディルバイ・アンバニが1966年に創業した繊維メーカーが元。石油化学や通信、石油、小売りなどに業容を広げ、売上高738億ドル(約8兆5000億円、2021年)をほこるインド最大の企業に成長した。

ディルバイが2002年に死去したあと、リライアンス・インダストリーズはムケシュが継承(編集注、発電やインフラなどの事業は弟のアニルが継いだ)。現在も彼とその家族が同社の株式の約49%を保有している。

フォーブスの長者番付で1位は米テスラなどを率いるイーロン・マスク。2月28日にはテスラの株価が7.5%急伸し、資産額はさらに144億ドル(約1兆6600億円)膨らんだ。3月1日現在の資産額は推定2353億ドル(約27兆円)。

編集=江戸伸禎

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