ロシア産ウォッカのボイコット、米国で拡大 各州で知事が指示

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ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け、米国の複数の州で、ウクライナに対する支持と同国の人々との連帯を表明するため、ロシア産ウォッカをボイコットする動きが広がっている。

米アイオワ州のキム・レイノルズ知事は2月28日、自州の酒類販売の管理当局に対し、ロシア産の酒類すべての取り扱いを中止するよう命じた。また、ウェストバージニア州のジム・ジャスティス知事も同日、州の酒類管理局に同様の指示を出すとともに、州内の小売店に対し、ロシア産ウォッカの販売中止を要請した。

ウェストバージニア州で販売されているロシア産のウォッカは、「ベルーガ」と「ハンマー・アンド・シックル」「モスコフスカヤ」「ロシアンスタンダード」の4種類。ロシアのブランド名を使用しているものでも、同国以外で生産されたウォッカは、対象から除外されている。

また、オハイオ州のマイク・デワイン知事は州商務省に対し、同州でウォッカを販売する唯一のロシアのウォッカ醸造所、ロシアンスタンダードが生産するウォッカ(「ロシアンスタンダード」と「グリーン・マーク」)の取り扱いを中止するよう命じた。州内にある487の酒類販売店には、これらのウォッカを直ちに売り場から撤去するよう要請している。

ユタ州のスペンサー・コックス知事も、自州の酒類管理局にロシア産とロシアブランドの商品の取り扱いを中止するよう指示する行政命令を発出。ユタ州は「どれほど取引量が少なくても、ロシア企業は支援しない」と述べている。

ニューハンプシャー州知事のクリス・スヌヌも、行政命令に署名。州内でのロシア産蒸留酒と(他国で生産された)ロシアブランドの蒸留酒の販売中止を命じた。ペンシルバニア州の酒類管理委員会はトム・ウルフ知事の要請を受け、州内の販売店に対し、ロシア産のウォッカその他の酒類の販売中止を指示した。

テキサス州知事のグレッグ・アボットはツイッターで、州内のすべての小売業者に対し、ロシア製の商品を店内の棚から「自主的に撤去するよう求めた」ことを明らかにしている。
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編集=木内涼子

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