時価総額で世界最大の暗号通貨であるビットコインは、1日朝にそれまでの24時間との比較で約13%急騰して4万3000ドル(約490万円)を突破した。第2位の暗号通貨であるイーサも、同期間に9%以上上昇し、約2900ドルをつけた。
その他の主要な暗号通貨のバイナンスのBNBやソラナのSOL、カルダノのADA、リップルのXRPなども同様に5%から10%の上昇となり、テラフォームラボのLunaは20%以上も急騰した。
CoinGeckoのデータによると、暗号通貨市場全体は過去24時間で10%成長し、時価総額は2兆ドルを突破している。
ウクライナに侵攻したロシアに、各国の政府が厳しい経済制裁を発動した結果、ロシアは世界の金融システムから孤立し、経済は停滞し、同国の通貨であるルーブルは史上最安値まで急落した。
ブルームバーグは3月1日の記事で、暗号通貨データ会社のカイコ(Kaiko)のデータを引用し、ロシアのルーブルと、ウクライナの通貨のフリヴニャを用いた暗号通貨取引が急増し、特にビットコインの取引が急増したと報じている。その原因としては、ウクライナの支援に使われる法定通貨と暗号通貨の両方のボラティリティの高まりや、ロシアが制裁を逃れるために暗号通貨を使おうとしていることなどが考えられるという。
ウクライナの当局は、より多くのロシア人が暗号通貨に資金を移動する可能性があるため、国内の取引所に対し、ロシア人ユーザーをブロックし、ロシア人とベラルーシ人に関連する資産を凍結するよう要請している。
ビットコインは、今やロシアのルーブルよりも価値がある。今回のビットコインの価値の急上昇は、ロシアのルーブルの暴落と同時に起きている。CoinMarketCapのデータによると、1日時点でビットコインの時価総額は約8200億ドルで、ロシアのルーブルの時価総額の6380億ドルを上回っている。