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2022.03.01 16:30

「900億円ファンド」組成の中村幸一郎、競争激化のシリコンバレーでどう戦うか


 ── 今後注目する投資領域は?

Sozoの創業期は、アドテクに始まりフィンテックが立ち上がった頃。2号ファンドでは、フィンテックやSaaSを中心に、後半で物流や製造業にイノベーションを起こす技術が生まれました。

3号ファンドの投資領域の中核は、引き続きフィンテックや物流、SaaSは重要分野。それに加え「ヘルスケア x IT」や「物流 x 金融」といった、他領域との交差点から生まれるグローバル・プラットフォームになりえる領域も注目しています。

例えば、我々が投資しているのはメディカルサービスとデジタルを掛け合わせた「Viz.AI」。MRIやCTスキャンの画像データをデジタルで読み込むという事業で、アメリカでは800以上の病院で採用されている会社です。

また、クリーンテックやフードテックにも注目しています。単に二酸化炭素を削減したり分解する技術ではなくて、排出状況をモニタリングしトレーサビリティを確保するようなデータプラットフォーム。

フードテックでは、例えば人工肉の「インポッシブルフード」のような次世代技術に注目しています。環境負荷を抑えながら、安価で量産可能な形で食品を生産できるような技術も追っていこうと思っています。

また金融サービス、物流、製造技術を効率化する分野が今後伸びていくでしょう。

VCとしてさまざまな領域のスタートアップを見てきていますが、成功しそうな企業群とそうでない企業群は明確にわかれます。

優良なスタートアップへの投資は、選択権が投資家ではなく、起業家側にあります。彼らから選ばれるため、「事業連携」「日本進出サポート」という明確な付加価値を提供していきたい。

文=露原直人

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