爆発的なユーザー数の伸びから、人事担当者だけでなくネクストユニコーン企業のCxOたちも利用するカジュアル面談プラットフォーム『Meety』。同サービスを運営する、株式会社Meetyが2022年3月2日、1.9億円の資金調達を発表した。
今回のラウンドに置いてリードとなったのは『HIRAC FUND』。マネーフォワードベンチャーパートナーズが設立したベンチャーキャピタルだ。
急成長中のMeetyがさらに注目を集めるきっかけになるであろう、今回の調達。実はこの調達劇、10年前からはじまっていたのだ。
主人公はこの2人。Meetyの代表取締役CEO中村拓哉、そしてHIRAC FUND代表パートナーの古橋智史である。
上司・部下としての出会い──中村を一度も抜けなかった古橋
Meetyの代表・中村と、同社に出資を決めたHIRAC FUND代表の古橋の出会いは、今回の出資から約10年前に遡る。
ITベンチャーであるSpeeeへ、古橋がメガバンクから転職。中村は当時、営業リーダー。古橋は直属の部下となった。
人事担当者から、古橋について「君に似ている男性が入社するよ」と聞かされていた中村。実際に入社した彼と出会い、自身も共通する部分も感じたという。
「“人たらし力”のようなものを古橋さんには感じました。コミュニケーションの力で仕事をうまく回すタイプだと思っているんですが、古橋さんは僕以上でしたね」(中村)
メガバンクからベンチャー。正反対と言ってもいいカルチャーをもつ会社から転職した古橋だったが、入社直後から営業成績でも頭角を表した。中途入社のベテランでも苦戦する難易度が高い商材を、異業種からやってきた古橋は前例を覆すスピードで受注し続ける。
「とにかく仕事が楽しくて、土日にテレアポリストを作っていたのですが、「土日は休め」と代表に叱られまして。それじゃあと、月曜日の午前0時から働きはじめました。おかしいですよね(笑)」(古橋)
泥臭い仕事を、異常なほど徹底的にやりきる古橋。
それでも、“上司”には敵わなかった。当時の中村の営業力は群を抜いており、月間・クオーター・半期・年間の営業成績において歴代最高を記録。古橋は、尊敬しつつも、悔しさを抱いていた。
その後、古橋もチームリーダーへ昇格。ただ、退社にいたるまで、中村の成績を抜くことはできなかった。
退職から即起業を選んだ古橋──起業に踏切り切れなかった中村
その後、Speeeを退社した古橋は、2014年にSaaSマーケティングプラットフォーム『BOXIL』を開発・運営するスマートキャンプを起業した。一方、中村はSpeeeに残り、新規事業を任されていた。
実は中村も以前から起業を目指していたが、結果として古橋が先に起業を果たすことになる。