染谷:「上品なカジュアル」の「上品さ」を今一度意識していきたいということです。
もうひとつは、サイズ感。最近はオーバーサイズがトレンドなので、シンゾーンの服も大きめにつくることが多くて。小さいサイズを求める方向けに、サイズ展開をしたらいいんじゃないか、といった提案もありました。
また、今までも社内のデザインチームが商品企画を行っていたのですが、今後は誰かひとりのディレクターにスポットを当てるのではなくて、「全員でシンゾーンをやっている」という形をとっていこうという話もしました。
シトウ:「チーム・シンゾーン」ですね。
染谷:そうですね。裕亮は、できるだけ早くチームを整えていきたいと考えています。
シトウ:だからチームなんだ。なるほど。ジョン・ガリアーノも、メゾン・マルジェラにジ ョインした際、「(個人名ではなくて)チームとしてクリエイションを作っていく」って言ってたんです。それをとても彷彿させるストーリーだな、と思いました。
これからシンゾーンの「上品さ」がどんな風に変わっていくのか。「上品」って人によってイメージが違うと思うから、シンゾーンの「上品」はどこに向かうのか、個人的には楽しみです。
「体にいい、環境にいい」がかっこいい
シトウ:最後に、今後取り組んでいきたいことはありますか。
染谷:シンゾーンに関しては、人や商品などのブランドの「中身」を大事にしてやってきたので、これからもそれは変わらないですね。さらにレベルを上げていきたいと考えています。
シトウ:今はもうプラットフォームができあがった。あとはブラッシュアップと。
染谷:そうですね。
あとは、洋服の「カッコよさ」の定義が、少しずつ変わってきているのを感じていて、新しい動きも始めています。見た目だけではなくて、「体にいい、環境にいい」っていうことが条件になってきているじゃないですか。
シトウ:私もそれはすごく感じます。自分だけがいいっていう価値観ではなくなっているなって。「自分もカッコいい、環境もいい方向になる、あと肌に負担もないし」みたいな。
染谷:なので、シンゾーンとは別に「テイクス(takes.)」というブランドを立ち上げて、2021年秋冬にデビューしました。植物の「竹」を原料にしたTシャツをつくっています。
シトウ: なるほど。「いろんな人やそれぞれの状況、まわりの環境をまるっといい方向に持っていける」っていうためにどうしたらいいかってことを考えたうえでビジネスモデルが、今の時代の「カッコいい」なんですかね。
染谷:そうですよね。そう思います。
シトウ:今日はいいお話をたくさん聞けました。ありがとうございました!