シンゾーンは2001年3月、染谷裕之が息子の真太郎とともに創業。東京・表参道に一号店を構え、逆境を乗り越えながら成長してきた。現在は東京に3店舗、北海道に1店舗を展開している。
コロナ禍ではEC・店舗ともに好調で、2021年7月期決算が15億5000万円と前年比プラス3億をマークし、今期は18億まで伸びる見通しとなっている。
なぜ今シンゾーンが、多くの顧客に評価されているのか。創業者の染谷に、シトウレイがインタビューする。
後編では、コロナ禍でのEC好調の理由や、今後の展望を聞いた。
(前編はこちら)
ECの売上が3年で約6倍に
シトウ:この間お会いしたときに、コロナ禍になってファッション業界は全体的にガンと落ちてしまったけど、シンゾーンさんは業績が良かったっておっしゃっていましたよね。ぜひその理由を、詳しく教えてください。
染谷:これは結果論なんですけど、数年前からECを強化してきたからかなと思います。
シンゾーンは、2019年にZOZOからの撤退を決めました。ここの売上が2億くらいあったので、けっこう大きな市場です。でも、今後のことを考えた時に、価値観や方向性が合わなくなってきているなと思って判断しました。
シトウ:具体的には?
染谷:例えば、どんどんセールをする点や、低価格帯のブランドの扱いが増えてきた点などです。それならば、自社のECと、卸のビジネスでカバーしていこうっていう方針を打ち出しました。
シトウ:ちょうどコロナの1年前ですね。
染谷:そうですね。当時ECの売上が5000万ほどだったのですが、ECチームが頑張ってくれて、3年で2億9000万(2021年7月決算時)まで伸びました。
シトウ:えー! 3年で6倍に! ECがそこまでそんなに伸びたのは、どういう理由が?
(EC担当者が代わりに答える):ZOZOから流れてきた方がいるというのがひとつですが、それ以外では、サイトのリニューアルがありますかね。点としてあった商品を線でつなげるようにして、見やすい動線を整えました。