ライフスタイル

2022.03.04 14:30

八王子を国際モデル都市へ 北原国際病院グループの挑戦


「近年増加する一人暮らしで身寄りもない意識障害患者を受け入れた場合、医療機関は現病歴や既往歴が分からない、承諾書が取れない、治療費を払ってもらえないかもしれない、最悪亡くなってしまった場合ご遺体の引き取り手がいないなど様々な困難に直面します。

それでも我々は、他の医療機関が受け入れを拒否するこうした患者も含めてほぼすべての救急要請に応じてきました。だからこそ、わが国の医療供給体制が崩壊寸前であることをひしひしと感じています。

今回のコロナ禍で、多くの国民が、自分が本当に必要としている時に治療を受けられるとは限らないことを知りました。でもそれは少子高齢化の中で以前から、別の形ではありますが確実に進行していたことなのです。

ではどうすれば良いのか。今こそ立ち止まって本当の幸せとは何かを考え、自分の街を、たとえお金がなくても健康と幸せにだけは手が届く、お金よりも親切で誠実な関心が豊かさの尺度となるような美しいコミュニティーに生まれ変わらせることはできないものでしょうか。

そして、そんな自立した小さいけれど豊かなコミュニティーがあちこちで立ち上がり、緩やかに連帯して国家としての対応を必要とする国防や外交の方針を決めていく。私は現状の信頼や絆、規範が失われた状態を根底から立て直し、全ての人が疎外感を味わうことなく交流を深め、健康かつ幸せに暮らしていくことができる社会を取り戻すにはそれしかないのではないかと考えて、様々な事業に挑戦し続けています」(北原)

取材・文=中村麻美

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