ビジネス

2022.02.27

利益を学生アスリートに分配、NFTコレクションの新たな展開例

ナイキのデザイナー、ティンカー・ハットフィールド(Photo by Dave Pedley/Getty Images for SXSW)

ナイキの創業者フィル・ナイトが創設したスポーツベンチャー企業ディビジョン・ストリート(Division Street)が、ナイトの出身校であるオレゴン大学の学生アスリートたちに利益をもたらす新たなオンラインNFT(非代替性トークン)プラットフォーム「ダックス・オブ・ア・フェザー(Ducks of a Feather)」の立ち上げに動いている

このプラットフォームには、ボイスチャットサービス「ディスコード」のチャンネルが導入され、アスリートとファン、支援者、その他のコレクターをつなぐものになるという。

「ダックス・オブ・ア・フェザー」の最初のコレクションは、オレゴン大学のアメリカンフットボール・チームとコラボレートした「フライング・フォーメイションズ(Flying Formations)」だ。このコレクションは、オレゴン大学の卒業生で、ナイキのデザイナーでもあるティンカー・ハットフィールドが制作してシリアルナンバーを付けた、世界に1つしかない一点物のアート作品120点を売りにしている。

さらなる付加価値として、このコレクションの各NFTには、超レアなスペシャルエディションの「ナイキ・エアマックス1」が付属する。スニーカーの「舌」の部分には、このNFTを表す描写が採り入れられる。

ディビジョン・ストリートによれば、発想の源になったのは、ハットフィールドがエアマックス1を手がけた際にデザインした、9バージョンの「ファイティング・ダック(Fighting Duck)」スニーカーだという。そこから、それを発展させて120点に及ぶ一点物のNFTをつくり、エアマックス1と組み合わせて価値を高めるというアイデアが生まれた。デジタルと実体のあるモノの組み合わせにより、新たに立ち上げるプラットフォームに独自性を与えようというわけだ。

ディビジョン・ストリートのローズマリー・セントクレア(Rosemary St.-Clair)CEO(最高経営責任者)は、「オレゴン大学のブランドは、常に革新の代名詞であり、文化にすっかり浸透している。そのため、学生アスリートを代表し、彼らに利益をもたらすことに専念する初の独自オンラインプラットフォームを構築するのは、我々にとって自然なことだった」と述べている。「当社は継続的に、オレゴン大学のアスリートがそのブランドを収益化するためのクリエイティブで独特な方法に力を注いでいる。『ダックス・オブ・ア・フェザー』は、そのための長期的なプラットフォームとして機能していく」
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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