米ゴシップサイトがエリザベス女王巡る誤情報を拡散、批判集まる

Mark Cuthbert/UK Press via Getty Images

米国の“ゴシップ情報サイト”、ハリウッド・アンロックト(HU)がスクープとして伝えた英エリザベス女王に関する誤った情報が、インターネット上で注目を集めている。

HUは、同名のリアリティ番組に出演していたジェイソン・リーが立ち上げたエンターテインメント関連のニュースサイト。インスタグラムのフォロワー数は280万人を超え、ユーチューブのチャンネル登録者数はおよそ31万5000人となっている。

同サイトは2月22日、「ロイヤル・キングダムに近い複数の関係筋」からの情報として、「英国版ヴォーグの編集長、エドワード・エニンフルの結婚式に出席する予定だったエリザベス女王が、亡くなっているのが発見された」とする記事を投稿。この情報は瞬く間にネット上で拡散された。

だが、このニュースは、他のどのサイトでも確認することができず、バッキンガム宮殿も、これが事実であることを示すような対応は何一つ取っていない。それにもかかわらずリーは、その後「ロンドン橋計画」について投稿。このニュースは事実であると強調した。

「ロンドン橋計画」は、エリザベス女王が実際に死去した場合の一連の行動をあらかじめ定めたもの。首相をはじめ政府高官には数時間以内に電話で死去が伝えられ、バッキンガム宮殿は公式ホームページでその事実を“正式に通知”。直ちにチャールズ皇太子が国王に即位することになっている。

バッキンガム宮殿は2月20日、95歳のエリザベス女王が新型コロナウイルスに感染したと発表。22日には、女王には依然、「軽い風邪」のような症状が残っていることを明らかにしていた。

批判を受け「なりすまし」が謝罪


他社の記者らは、「誤った情報を広めている」として、HUを非難している。だが、リーは、自分は「嘘をついたことはない」「これまでも間違ったことはない」などと強弁している。

その後、ツイッターには「@HollywoodUL」というハンドル名のアカウントから、エリザベス女王に関するHUの記事を取り下げるととともに、英王室に謝罪するとの投稿があり、記事は「インターンが誤って草稿を公開した」と説明した(その後、このツイートは削除されている)。
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編集=木内涼子

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