シトウ:ポイントがひとつ“ドーン”とあるというよりも、いろんな要因があったんですね。
店舗はもともと増やしていきたいって気持ちはあったんですか?
染谷:少しは増やしたいと思っていました。当初は銀座にお店を持つのがひとつの夢で、2007年に出店することができました。
ただやっぱりなかなか厳しくて、3年ほどで撤退して丸の内に移りました。三井不動産の方から「丸の内のOLさんをもっとカジュアルファッションでおしゃれにしていきたい」というお話をいただいて。
それと並行して、新宿伊勢丹のセレクトショップ「リ・スタイル」でも扱っていただけるようになりました。ここが非常に好調だったんです。それで、「リ・スタイル」の近くに4〜5坪の売り場を持てるようになって。そこでも1億5000万くらい売上がありました。
シトウ:へー! すごい!
染谷:百貨店ってやっぱりすごいんですよね。で、2010年には、なかなか厳しかった丸の内を出て、新宿のルミネに出店しました。
シトウ:花崎(淑夫)さんが社長の時代ですよね。
染谷:そうそう。もうずーっと誘っていただいていて、お断りしていたんですけど。主力メンバーが抜けてしまうタイミングも相まって、路面でやっていくのは難しいと判断し、ルミネさんで新しいシンゾーンとしてやっていこうと決意しました。
シトウ:いまルミネさんは、新宿と有楽町の2店舗に出店していますね。
染谷:はい、新宿店がオープンしてから1年後ぐらいに有楽町ルミネさんからもお話をいただいて。「1丁目1番地を持ってきました」と言ってくださったので、ここまでご評価いただいたら出ないわけにはいかない、ということで出店しました。その後店舗の都合で場所は移動しましたが、現在まで7年間続いています。
今では有楽町店さんの方から高い評価をいただけるようになってきて、28坪で約2億3000万の売上があります。新宿の方は22坪で2億9000万ぐらいですね。非常に高い効率で売上をあげさせていただいています。
従業員を育てる秘訣は?
シトウ:そうした成長の背景には、やはり染谷さんが創業時から大切にしている「誠実」とか「おもてなし」があるんですね。お話を聞いていると、なんだか1本筋が通っているなと思いました。
染谷:たしかに業界を見渡すと、成功した経営者はもっと派手で「規模の拡大」を目指している方が多いかもしれませんね。でも、僕は「拡大よりも充実を」という考えなんです。
シトウ:いい言葉!
染谷:特に、商品の成長よりも「人の成長」が大事だと思っています。人材育成をじっくりやってきた結果、売上がついてきたので。