自殺が周囲の人に残す3つの大きな疑問

女優のレジーナ・キング(左)と息子のイアン・アレクサンダー・ジュニア(右・今年1月自殺により死去)。(Photo by Kevin Mazur/AMA2019/Getty Images for dcp)


実際には彼らは、「パフォーマンスのことや、完璧であろうとすること、ファンのためにイメージを保とうとすることなどによって、より強いプレッシャーを感じていることが多い」。そのためほかの人たちよりも、「助けを求めることが難しい」という。

人が自ら命を絶つとき、その理由がたった一つであることは、ほとんどない。これは、非常に重要な点だ。自殺は複雑で、関連のあるすべての要因を、本人以外が理解できるわけではない。

自殺を防ぐための「障壁」を乗り超えるには──?


メンタルヘルスに問題を抱える人は、それを「不名誉なことだ」と感じる。そうした気持ちは、治療における大きな障害であり、解消していくための努力が必要だ。そして、そのために大切なのが、話し合いを続けることだ。

これについてフィンク医師は、「私たちが悲しみ、その悲しみを処理していく方法は、人と話し、共有すること以外にない」と述べている。また、アーティ医師は、「繊細な、そして痛みを伴うこのテーマについて、勇気を持って、外聞をはばからずに、議論する必要がある。議論すること自体が、命を救うことになるかもしれないからだ」と訴える。

また、自殺に関する誤解を解くことも重要だ。誤解の例としてロイ准教授が挙げるのは、多くの人が、「自殺願望があるかどうか相手に尋ねても、その人が自殺するリスクが高まるわけではない」と考えていることだ。また、自傷行為について尋ねることは、思いやりを持って質問していることが伝われば、正直な気持ちを語り、助けを求めるきっかけになる可能性があるという。

編集=木内涼子

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