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2022.02.27

米国で「大麻成分入りドリンク」の人気が上昇中

(c) MXXN

大麻が禁止されている日本では想像しにくいことだが、友だちと当てもなくぶらついているときに、大麻成分入りグミを口に放り込んだとしよう。率直に言って、こうした体験からは、カクテル片手にくつろいでお喋りをしているときのような、社交的な営みに参加している感覚は得られない。大麻入りドリンクの売上が好調なのは、そうした理由が背景にあるのかもしれない。

大麻業界専門の市場調査会社ヘッドセットによると、ドリンクは米国の嗜好用大麻業界で最速の成長を遂げた商品カテゴリーの一つであり、他のカテゴリーのシェアを奪っている。大麻卸売りプラットフォーム「リーフリンク(LeafLink)」のデータでは、米国最大の大麻市場であるカリフォルニア州では2021年、大麻入りドリンクの売上が6400万ドルを上回り、2020年比で約50%増となった。

大麻入りドリンクの持つ効能は、商品によって驚くほど差がある。したがって、マリファナの世界に関心がある初心者で、摂取量については、よく耳にする「start low, go slow(少量から始め、控えめに)」というアドバイスに従っている人にも適した商品はあるし、もっと(はるかに)強い効果を求める人にも適した商品がある。

低用量タイプとしては、12オンス(約355ml)ボトルのなかに、2mgから10mgの向精神成分テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれたものがある(一般的には、10mgが1人分とされる)。もっと強めのものとしては、「ショット」と呼ばれる小さめの容器に、THCが100mg含まれたタイプがある。100mgは、容器1つに含まれるTHCの法定最大量だ。

フレーバーも多種多様だ。大手ブランドのフルーツ味には、「オレンジマンゴー味」や「聖なるグレープ味」などがある。MXXNは、ジンやバーボン、テキーラ代わりに使える750ml入りボトルを提供しており、キャップ何杯分をドリンク1杯に加えると好みのTHCレベルになるかという説明書きがついている。スティルウォーター・ブランズ(Stillwater Brands)が販売する「Ripple」のように、どのようなドリンクにも溶かして混ぜられる粉状のTHC製品もある。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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