ゲーム業界内部からの逆風
各国の規制当局はこの業界をどのように規制すればよいのか、まだ決めかねている。議論の的となっているPlay To Earnゲームは、先進国のプレイヤーからNFTを借りてゲームに参加する低開発国の労働者が「搾取されている」といった批判を浴びている。
そして、誰もがシウの熱意に共感しているわけではない。ビットコインを保管・送金するためのプロダクトを開発しているBlockstreamのチーフテクノロジストであるSamson Mowは、「オープンメタバース」のエコノミーは、ゲーム会社にとって不利だと話す。
「人気ゲームの『コールオブデューティー』が武器を販売したとして、ユービーアイソフトはそれを彼らのゲームに持ち込んで欲しくない」と彼は話す。
エレクトロニック・アーツ社のCEOのアンドリュー・ウィルソンは、以前NFTへの参入に興味を示していたが、最近の決算説明会でその発言を撤回した。
人気ゲームプラットフォームの「Steam」を所有するValve社は、10月にブロックチェーンゲームとNFTを禁止した。マイクロソフト・ゲーミングのCEOのフィル・スペンサーは、「NFTゲームは搾取的な感じがする」と述べている。
しかし、世界の大手ゲーム会社が躊躇していても、シウはそれを気にしない。彼はアニモカ社が近日発売するPCおよびMac用ゲームの「Phantom Galaxies」が、プレイステーション5やXbox Series Xなどのゲーム機向けのトリプルA級ゲームに匹敵するクオリティだと胸を張る。
Ubisoft社の小さな失敗作を除いて、大手のパブリッシャーはまだブロックチェーンゲームに進出していない。そんな中で、シウは大胆な賭けに出ようとしている。
「トリプルAクラスのゲームがリリースされて、ここからさら業界は活性化する。大きな変化が始まろうとしている」とシウは話した。