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2022.02.23 08:30

中国飲食業界の苦境鮮明、火鍋チェーン「海底撈」が損失800億円

Dongxu Fang / Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

中国ではここ最近、KFCの運営元のヤムチャイナやスターバックスなど、飲食業界の大手の苦境が鮮明になりつつある。

中国の火鍋レストランチェーン「ハイディーラオ(海底撈)」は、時価総額140億ドルを誇る世界的な飲食業界の大手だが、同社は2月20日、2021年度の損失が7億1000万ドル(約815億円)以上に及ぶと発表した。

この損失は、主に300店舗以上の閉鎖や営業停止によるものとされている。

ハイディーラオは、2018年9月に香港証券取引所に上場し、同社の共同創業者のZhang Yongとその妻は、新たな中国人ビリオネアとして注目を集めた。フォーブスは当時の夫妻の保有資産を79億ドル(約8900億円)と試算していた。

創業チームから4人のビリオネアを送り出したハイディーラオは、損失の原因として「継続的に変化し、繰り返される世界的なパンデミックや2020年と2021年の店舗ネットワークの急速な拡大、内部の管理問題」を指摘した。

「特に2021年下半期には、世界各地での感染拡大や公衆衛生上の措置により、レストラン事業が大きな影響を受けた」と同社は述べている。

ただし、2021年の売上は、前年から40%増加し、400億元(約7200億円)に達する見通しという。

ハイディラオの株価は、2018年の上場時に1株17.80香港ドルをつけ、2021年初頭に史上最高値の80香港ドル以上を記録した後に、現在は20香港ドル台に沈んでいる。同社は、2021年半ばの時点で世界で1597店舗を展開しており、そのうち106店舗を海外で運営していた。

中国では、KFCとピザハットを運営するヤムチャイナも今月初め、2021年第4四半期を通じてデルタ株の亜種の発生が続いたことで、ビジネスに打撃を被ったと発表した。ヤムチャイナは、中国最大のレストランチェーンであり、12月時点で中国全土で1万1000店以上のレストランを展開している。

一方でスターバックスも今月初め、1月2日までの3カ月間の中国の既存店売上高が、前年同期比で14%減少したと発表していた。

編集=上田裕資

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