糖尿病患者のための「画期的アプリ」がiPhoneで利用可能に

インスリンポンプ(Click and Photo / Shutterstock.com)

糖尿病治療に画期的な変化をもたらす新しいアプリがリリースされる。ニュースサイトThe Vergeは2月17日、米国食品医薬品局(FDA)が、糖尿病治療のためにインスリンを持続的に注入するインスリンポンプを制御するアプリを初めて承認したと報じた。

Tandem Diabetes Care社が開発したアプリ「t:connect mobile」は、同社のインスリンポンプ「t:slim X2」のインスリン送出を自動化するもので、iOSとAndroidの両方で利用できる。

このアプリを使うとユーザーは、インスリン投与のためにポンプを下着から取り外さずに、投与を行うことが可能になる。

Tandem Diabetes CareのCEOのJohn Sheridanによると、現状でこのアプリは、インスリンポンプのモニターとして利用できるが、今後のアップデートでインスリンの追加注入 (ボーラス)の予約やキャンセルなどの操作も可能になるという。

Tandem社は2月16日の声明の中で、これらの新機能は米国の顧客に対し、無料で提供されると述べた。

このアプリは、ユーザーのポンプ情報をiPhoneまたはアンドロイド端末上に表示するため、ユーザーは人目を気にせずにそのデータにアクセスできる。また、血糖値の推移やポンプの状態の変化、アラームなども表示され、データはクラウド上に安全に保管される。

アップルは、ヘルスケア分野に多大な関心を持っており、同社のCOOジェフ・ウィリアムズは、以前の筆者の取材に、「皮膚内にアクセスせずに血糖値を測定することは、非常に難しい」と語っていた。同社は、アップルウォッチでこれを実現することを検討していると考えられる。

また、ティム・クックは数年前に血中のブドウ糖の濃度を測るグルコース・トラッカーを身につけていて、その結果が参考になったと話していた。アップルウォッチは、いずれそのような機能に対応するのかもしれないが、それまでの間、Tandem社のアプリは、糖尿病患者にとって強い味方になりそうだ。

編集=上田裕資

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