「リチウムなどの鉱物は、EVバッテリーの製造に欠かせず、クリーンエネルギーの未来へ進む上で重要な役割を果たす。本日発表したパイロットプログラムは、カリフォルニア州が業界のリーダーやイノベーターと協力し、システム構築を主導できることを示すものだ」とストラウベルは会見の中で述べた。
レッドウッド社は、カリフォルニア州環境保護局などの機関と協力して使用済みバッテリーパックの回収効率化を図っているが、ストラウベルによると、州からの資金提供は受けていないという。
輸送費が大部分を占めるプログラムの費用は、レッドウッド・マテリアルズ、フォード、ボルボが分担するというが、詳細な金額は明らかになっていない。
回収量は、スタート当初は少なく、EVバッテリーの多くが寿命を迎え始める2年後から増えることを見込んでいる。
フォードが5000万ドル出資
フォードは、昨年9月にレッドウッド社に5000万ドルを出資し、同社とバッテリーのリサイクルで協力する計画を発表している。フォードのジム・ファーリーCEOは、EVクロスオーバーのマスタング・マッハEとEVピックアップトラックのF-150 ライトニングを中心に、EVの生産台数を大幅に増やす計画を発表した。
「我々は、人々や環境を守る上での自分たちの役割を果たすことに真剣に取り組んでいる。レッドウッド・マテリアルズとの新しいプログラムによって、我々は米国におけるサステナブルでカーボンニュートラルなEV生産への移行を主導できるだろう」とファーリーは述べている。
ボルボ・カーズは、2040年までにクライメイト・ニュートラル企業となり、2030年までに新車販売を全てEVにするという目標を掲げている。
「我々は、使用済みバッテリーパックの回収・リサイクル・再製造を行うというレッドウッド・マテリアルズの先進的なソリューションを高く評価している。カリフォルニア州は、このようなプログラムを開始するのに最適な場所だ」とボルボ・カーズ米国事業で社長兼CEOを務めるAnders Gustafssonは述べている。
カリフォルニア州のリサイクルプログラムには、まずフォードとボルボ・カーズが参加するが、レッドウッド・マテリアルズは他の自動車メーカーの参加も呼びかけている。同社はまた、EV以外のバッテリードを含め、あらゆる種類のリチウムイオン電池とニッケル水素電池の回収をカリフォルニア州内で拡大していく予定だ。