カリフォルニア州は、全米最大のクリーンエネルギー自動車市場であり、レッドウッド社は貴重な鉱物資源を再利用することで、EVの乗用車やトラックをよりサステナブルにすることを目指している。
レッドウッド社は2月17日、カリフォルニア州の自動車ディーラーや解体業者向けに、寿命を迎えたバッテリーパックを特定し、同社の本社があるネバダ州カーソンシティーのリサイクル施設へ出荷手配ができる業界初のソフトウェアをリリースした。
同社のリサイクルセンターは、主に海外で採掘される貴重なリチウムやコバルト、ニッケルなどの金属を回収し、米国内にある工場で製造するリチウムイオン電池に再利用する。
ストラウベルによると、EVの持続可能性を高めると同時に、買い求めやすい価格まで下げるためには、このような閉ループのリサイクルと再利用が必要だという。
「バッテリーをリサイクルすることにより、高価で希少な材料を回収し、サプライチェーンのサイクルに留めておくことができる」と、ストラウベルはプレゼンテーション動画の中で述べている。
レッドウッド社は、リサイクルされた金属とバッテリー原材料の大手サプライヤーとなることを目指している。同社は既に年間約6ギガワット時相当の使用済みバッテリーや廃バッテリー、電子機器を回収しており、6万台のEVにバッテリーパックを供給することが可能だという。
同社は、テスラのギガファクトリーの近くに本社を構え、パナソニックから廃バッテリーを回収している。
EV用電池に必須の材料をリサイクル
EV用バッテリーや、その製造に必要な高価な原材料に対する需要が高まる中、レッドウッド社は事業拡大を図るため約8億ドル(約921億円)を調達している。同社は、10億ドルを投じて米国内に工場を建設し、リサイクル品からバッテリーの材料を作ってリチウムイオン電池のメーカーに供給する予定だ。
カリフォルニア州エネルギー委員会のデータによると、米国の州別EV販売台数において同州は圧倒的な首位で、2021年には約24万7000台のEVとプラグインハイブリッド車を販売したという。これは、昨年全米で販売されたEVの約40%に相当する。
カリフォルニア州におけるEVの累計販売台数は100万台を超え、ギャビン・ニューサム知事は2035年以降、州内でガソリン車とディーゼル車の新車販売を段階的に禁止する計画を打ち出している。