最適な画像・動画の見せ方を提案
Cloudinaryは、AI(人工知能)を用いて人々の関心を引く上で最適な画像・動画の見せ方を提案している。同社のアルゴリズムは、毎秒500~2000ピースのコンテンツを処理している。こうしたAIの活用によって、同社は企業のCIO(最高情報責任者)やマーケターを顧客にしてきた。
「カスタマー・エクスペリエンスにおいては、あらゆるものにパーソナライゼーションとインテリジェンスが求められている」と、Constellation Researchでプリンシパル・アナリストを務めるLiz Millerは話す。
Cloudinaryは、アドビなどの巨大なライバル企業と競争するために投資家から資金を調達した訳ではない。同社がこれまで自己資金で運営してきたのは、創業メンバーであるCEO(最高経営責任者)のItai Lahan、最高プロダクト責任者のNadav Soferman、CTO(最高技術責任者)のTal Lev-Amがベンチャーキャピタルを毛嫌いしていたからではない。
Lahanによると、408名の従業員に保有株を売却する機会を与える以外に、その必要性を感じなかったからだけだという。Cloudinaryは、2015年以降、数回セカンダリー取引を実施している。Blackstoneの出資により、外部株主の保有比率は10%強となったが、残りは依然として3人の創業者と従業員が保有している。
Cloudinaryのユーザー数は世界で100万人を超えた。同社は、自社開発により提供機能を強化している。同社は、企業買収も検討しており、先月には初めてのM&Aを実行した。買収したIndivioは、ユーザーが作成した動画をツイッター用のショートクリップや、ユーチューブ用の長いクリップなど、数多くのバリエーションに編集できるソフトウェアを提供している。Lahanによると、買収価額は「1000万ドル台」と小規模で、現金とCloudinaryの株式を組み合わせて支払ったという。
現状では、具体的な買収候補がある訳ではないが、積極的にターゲットを発掘していく予定だという。Cloudinaryが特に注目しているのは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ブロックチェーンアプリケーション、NFT(非代替性トークン)などの分野だ。
「大きなチャンスが見つかり、資金が必要になったときには、我々のことをよく知っている金融パートナーがいる」とLahanは話す。彼は昨年、理に適っていれば新株発行による資金調達を行う用意があると語っている。それを実行する上では、取締役会を設置する必要があるだろう。
Blackstone Growthは、投資先の約半数が創業から自己資金で運営してきた企業だという。Ramseyは、Lahanらの成長資金の調達に関する現実主義的な考えを称えながらも、もっと大きな視野を持つよう彼らに促している。
「成長を加速させるためには、大規模なM&Aを検討するべきだ。彼らは自己資金で運営することに誇りを持っているが、それは彼らが資金調達に反対しているからではない」とRamseyは語った。