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2022.02.21

分散型金融のトップ投資家32歳が語る「DeFi」の理想と現実

Getty Images

現在32歳のオラフ・カールソン・ウィー(Olaf Carlson-Wee)は、数年前のICOバブルに乗って暗号通貨業界のトップ投資家の地位を獲得し、今では分散型金融(DeFi)への投資から莫大なリターンをあげている。

フォーブスは2017年に彼を「暗号通貨バブルの申し子」として表紙で取り上げていた。今年1月に、マンハッタンのソーホーにある1000万ドルの部屋からZoomでのインタビューに応じたカールソン・ウィーは、その後の4年半を振り返った。

当時27歳だった彼は、コインベースに3年間務めた後に、アンドリーセン・ホロウィッツやセコイア・キャピタルの支援を受けて、2016年に暗号通貨ヘッジファンドの「ポリチェーン・キャピタル(Polychain Capital)」を立ち上げた。設立時に400万ドルだった同社の運用総額は、その翌年に2億ドルに膨らんでいた。

ビットコインをはじめとする暗号通貨の価格は、ここ数カ月で大幅に下落したものの、市場全体の時価総額は今でも2兆ドルを上回り、ポリチェーンの運用総額は今や50億ドルに達している。同社は先日、タイガーグローバルとシンガポールのテマセクが主導した3回目の資金調達ラウンドで7億5000万ドル(約860億円)を調達した。

フォーブスは、カールソン・ウィーの現在の保有資産を約6億ドル(約690億円)と推定している。彼が成功をつかめた要因の一つは、単純に言うと市場への参加が「早かった」ことだ。例えば、彼がイーサリアムの創始者のヴィタリック・ブテリンと出会ったのは2013年のことで、それは、当時19歳だったブテリンがイーサリアムのホワイトペーパーを執筆する直前のことだった。

「私は、誰かを最初に信じる人になるのが好きだ」と、カールソン・ウィーは話す。

彼はDeFi分野の最大の勝者である取引所のUniswapや、レンディングプラットフォームのCompound、ステーブルコインを発行する自律分散型組織のMakerDAOなどの初期投資家だ。

理想主義者たちはDeFiが、金融の世界を民主化するツールだと考えている。伝統的な金融業界では、中間業者であるバンカーたちが巨大な力を行使してきたが、DeFiは、そのような中間業者を排除し、支払いや貯蓄、取引、貸し出しを全てブロックチェーン上で管理する。

しかし、自らが現実主義者であることを認めるカールソン・ウィーは、彼のパートナーたちの利益が最優先されるように、会社の強力な議決権を行使することを躊躇しない。

「私は、クリプト(暗号通貨とその周辺のテクノロジー)が富の不平等や富の集中を解決するとは思わない。ただし、既存のシステムを揺るがすことは可能だ」
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翻訳・編集=上田裕資

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