「セコイア・クリプト・ファンド」と呼ばれるファンドは、主にサードパーティの取引所で取引されている暗号通貨に投資を行うという。セコイアはこれまで、取引所のFTXやカストディアン・プラットフォームのFireblocksなどの暗号通貨企業に投資してきた。
カリフォルニア州メンロパークを拠点とするセコイアは、新たなファンドが投資対象とするトークンについては明らかにしていないが、同社はこれまで、ビットコインやイーサリアムに加え、ソーシャルメディアに特化したDesoやストレージネットワークのFilecoinを含む約10種類の暗号通貨を購入している。
セコイアのパートナーであるShaun Maguireは15日にフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、新たなファンドが「20年のレンズ」でトークンへの投資を行っていくと述べた。
ベンチャーキャピタルによる暗号通貨領域への投資額は昨年、過去最高の300億ドルに達し、前年の7倍に膨らんだことがPitchBookのデータで示されていた。
パンデミックの間に暗号通貨の価値が爆発的に上昇したことで、この分野には投資の波が押し寄せている。投資会社のParadigmは、11月にクリプト業界では最大規模の25億ドルのファンドを発表し、スタートアップやトークンベースのアプリに投資すると述べていた。
その5カ月前には、取引所のコインベースやNFTのマーケットプレイスのOpenSeaへの出資で知られるアンドリーセン・ホロウィッツが独自の暗号通貨ファンドのために20億ドルを調達したことを発表した。
29歳の億万長者のサム・バンクマンフリードが設立した取引所のFTXは、7月に業界最大のプライベートラウンドで投資家から9億ドルを調達していた。
暗号通貨の価格追跡サイトCoinGeckoによると、17日時点の世界の暗号通貨の時価総額は2兆ドルとされている。これは、2年前との比較では8倍の上昇だが、11月に記録した3兆ドルを約33%下回っている。
今後、気になるのはこの分野の規制の行方だ。バイデン大統領は、暗号通貨に関する包括的な政府の戦略の概要を示す大統領令を2月中にも発表すると報じられている。