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2022.02.18 11:00

好調なカナダグース、オールシーズンのグローバル展開に照準

rblfmr / Shutterstock.com

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カナダグースは、着る人を冬の過酷な寒さから守ると約束する、高級ダウンジャケットで有名なアウターウェアのブランドだ。カナダグース・ホールディングスは、2022年2月に発表した2022年度第3四半期の決算で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる過酷な時期を耐え忍び、たくましさを増したことを明らかにした。

2022年度第3四半期における同社の売上は、前年比で26.5%増と勢いづいており、初の年間売上10億カナダドル(約8億USドル:以下の金額もUSドル表記)突破に近づいている。

これまでを見ると、年末とともに終わりを迎える第3四半期は、売上が最も好調な時期だ。そして、同社のダニー・リース最高経営責任者(CEO)によると、今回は史上最高の第3四半期となったようだ。

オミクロン株の影響で客足が局所的に途絶えなければ、第3四半期の売上はもっと増えていただろう。客足が伸び悩んだことで、カナダグースは年度末のガイダンスを、以前の8億9000万ドル~9億3000万ドルのレンジから、8億6000万ドル~8億7000万ドルのレンジへと、やや下方修正した。

世界展開


修正前のガイダンスは、北米以外の地域で高い成長率が続くことを見越したものだった。しかし第3四半期には、APAC(アジア太平洋地域)とEMEA(欧州・中東・アフリカ地域)で減速。その原因は、新たにオミクロン株が発生して感染が拡大し、規制が敷かれたことだ。

現在は一時的にペースダウンしているものの、カナダグースは過去2年間の第1四半期から第3四半期にかけて驚異的な成長を重ねた。APACは60%増、EMEAは28%増だった。

カナダグースは、アジアと欧州の客足に大きく依存している。総店舗数はポップアップ型を含めて45店舗で、APACに20店舗、EMEAに10店舗、カナダに9店舗、米国は少なく6店舗だ。店舗数から考えると米国市場は健闘しており、海外旅行が再開されれば、パンデミック以前の水準を超えると同社は予測している。

オンライン部門は、ECサイトを通じて世界の50を超える市場で展開している。

オールシーズン向けブランドに


カナダグースは世界的に販売網を広げているが、特有の問題も抱えている。同社はもともと、冬用アウターウェア専門ブランドだ。これまでを振り返ると、売上は四半期によって大きく差があり、第2四半期と第3四半期が売上の約80%を占めていた。

季節によって大きく異なる売上のバランスをとろうと、カナダグースは2017年、アウターではないニットコレクションを初めて発表。以降はオールシーズン製品の展開を拡大してきた。製品ライン別の売上は公表されていないが、2022年第3四半期には、パーカ以外の製品の売上が75%の伸びを見せたとしている。

2022年第4四半期には、春物のフットウェアが発売される。同社はこのカテゴリーに大きな可能性を見いだしている。2018年にはカナダの防寒靴メーカー、バフィンを買収しており、それを活かすリソースも確保している。

また、パステルカラーのスウェットやアウターウェア、小物や靴などを取りそろえた「Pastels Collection」も好評だ。

リースCEOによれば、カナダグースと、ストリートウェアブランド「Concepts」、日本のブランド「BAPE」の三者がコラボしたコレクションは数日で完売したという。

現在は、中国人デザイナーのエンジェル・チェン(Angel Chen)とコラボレーションしたコレクションや、北米プロ・バスケットボールリーグ(NBA)とのコラボ商品も販売中だ。

強固なサプライチェーン


カナダでは2022年1月末から、新型コロナウイルスのワクチン接種義務化に反対するトラック運転手たちが、「フリーダム・コンボイ(自由のための車列)」と称した抗議活動を行って交通を封鎖し、大騒ぎとなっている。しかし、カナダグースのサプライチェーンは対処可能だと、リースCEOは自信をのぞかせた。

「当社は、世界的なライフスタイルブランドとして揺るぎない地位を構築し、1年を通じてシーズンを問わず製品を提供するようになっている。2022年第3四半期は好業績を達成した。それが、当社のやり方がいかに成果をあげているかを示す証しだ」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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