ラグジュアリースポーツウォッチの躍進

ビジネスパーソンにオススメのモデルは? と聞かれると、まず間違いなくスーツに合わせたアンダーステートメントな一本。シンプルで薄型の3針、もしくは2針の時計を薦めていた。

しかし、この1年で一気に状況が変わってしまった。リモートワークへの流れから、ビジネスシーンでのカジュアル化に拍車がかかったのである。そこで注目されはじめたのが、ラグジュアリースポーツウォッチだ。そもそも1970年代に登場した高級なスポーツモデルのことだったが、現代では洗練された高級なスポーティモデル全般を指す。どんな服装にも対応できる万能性があるというわけだ。今年は特に充実したモデルが揃っているので注目していただきたい。



Rolex Oyster Perpetual Explorer
デザインもサイズも原点へと回帰した名機


1953年に誕生した名機は、2010年にケースを39mmへと拡大したが、今年は初代モデルと同様の36㎜へと回帰した。ケース、ブレスレットの素材はステンレススティールと18Kイエローゴールドのコンビネーション。イエローロレゾールと名付けられている。ケースのラグ、ブレスレットのスティール部分がヘアラインで仕上げられているのに対し、ゴールドはポリッシュ仕上げが施されている。このコントラストが実用時計に華やかさを加えている。

搭載のムーブメントは自社開発・製造のCal.3230。その脱進機には革新的な形状により、高いエネルギー効率を実現したクロナジーエスケープメントが採用されている。パワーリザーブは約70時間まで延長された。

ケース素材|ステンレススティール+18Kイエローゴールド
ケース径|36mm
ムーブメント|自動巻き Cal.3230
価格|1201200円
問い合わせ|日本ロレックス 0120-929-570



RICHARD MILLE RM 40-01 Automatic Tourbillon Mclaren Speedtail
まさにスピードテール!ティアドロップ形の新作


ラグジュアリーな英国のスーパーカーメーカー、マクラーレン・オートモーティブとの5年目のパートナーシップにあたってのコラボレーションモデル。マクラーレンにおける最速、最先端のロードカー「スピードテール」のデザインを踏襲している。

両社には、軽量化すること、振動の影響を減らすこと、抵抗を最小限にすることなど、取り組む姿勢に多くの共通点がある。マクラーレンは「RM 40-01」の設計に際し多くの情報を提供している。69個のパーツで構成されたケースのフォルムも「スピードテール」同様、ティアドロップ形で、勾配、厚みを考慮した「3次元曲面」のクリスタルガラスを開発。この独特なガラスの開発には18カ月を要している。

ケース素材|カーボンTPT(R)×グレード5チタン
ケース径|41.8×48.25mm
ムーブメント|自動巻き Cal.CRMT4
価格|126500000円
問い合わせ|リシャールミルジャパン 03-5511-1555



HARRY WINSTON Project Z15
NYの建築物をイメージ!斬新なダイヤルデザイン


モデル名にある「Z」は、航空宇宙産業で使用される特殊素材ザリウムを意味する。このザリウムケースに先端の時計機構を組み合わせたものが“プロジェクトZシリーズで、ほぼ毎年1モデルが発表されている。今年はその15作目となるので「プロジェクトZ15」というわけだ。このシリーズの特徴は、先に述べたザリウム素材に加えオープンワークを施した立体的なダイヤルにある。

新作は、20世紀のニューヨークを象徴する超高層ビルや、大きな吊り橋の鉄骨構造をイメージしたデザインが取り入れられており、時、分、秒を示す針が独立したレギュレーターで表示されている。分針はセンターに、時針はサブダイヤルに、秒針はレトログラードで6時位置に、それぞれ配置されている。

ケース素材|ザリウム
ケース径|42.2mm
ムーブメント|自動巻き Cal.HW3207
価格|2970000円(世界限定300本)
問い合わせ|ハリー・ウィンストン クライアント インフォメーション 0120-346-376
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text by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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